ところで水平対向6気筒を引き合いに出したのは、新型になって内外装の質感が大幅に向上したことも理由である。レガシィの水平対向6気筒を移植しても、さして不自然とは思わないほど車格感が上がった。以前は樹脂の薄っぺらな感じが妙に目に付いたが、新型はインパネ周りだけでなく、ドア周りや荷室周りまでしっかりと作り込まれている。サイズはコンパクトでも経済性優先のクルマではない。
今やRVでは一般装備になりつつあるナビシステム(DVD)のモニターはインパネ上面へのビルトイン型になり、収納時にはバックレストと一体になる前席アームレスト、シートな内装は3タイプ用意されているし、小物入れにもいくつかの工夫が見られる。
また、荷室床面下には深さはあまりないものの全面に近い範囲で床下収納スペースも設置されている。革新的とは言えないものの、キャビン機能も確実に向上している。
日常とアウトドアスポーツ&レジャーの結びつけるワゴンとして、現在考えられるひとつの最善の回答がフォレスターといっても、それほど大袈裟ではないだろう。
もちろん、アウトドアスポーツ&レジャーを要点のひとつに置かなければ、最善でも何でもなく、ハンデを背負ったワゴンでしかない。コンセプトを理解して選ぶ限り、新型フォレスターは使う人に優しく、多くの現実的なメリットを与えてくれるだろう。
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