世界最大の自動車レース、インディ500を学ぼう
元F1ドライバー、佐藤琢磨が参戦したことでF1ファンからも注目されるようになった米国フォーミュラカーレースの「インディカー」。5月末にはいよいよ同シリーズ最大のイベントである「インディアナポリス500マイルレース」(通称、インディ500)が開催されます。今回は、ルーキーである佐藤琢磨にとって初のチャレンジとなる「インディ500」について、イベントの位置づけから、複雑な予選方式などを解説していきたいと思います。佐藤琢磨が新たに挑戦している米国の「インディカー」レースはホンダが全車にエンジンを供給するフォーミュラカーレースだ。 【写真提供:本田技研工業】 |
世界3大レースの一つ、とんでもない賞金額!
「インディ500」はF1の「モナコGP」、フランスの「ルマン24時間レース」と並んで、「世界3大自動車レース」の一つに数えられています。その中でも「インディ500」は100年という最も長い歴史をもつレースであり、今年で94回目の大会を迎えます。インディ500はビッシリと観客席を埋め尽くす観客の数も世界一の規模といえる。 【写真提供:本田技研工業】 |
一夜にして、億万長者になれる! そんな夢を叶えられるのが「インディ500」というレースです。「インディ500」の賞金総額は約15億円以上と言われるていて、優勝者は3億円ほど稼ぎだします。また優勝賞金だけでなく、細かい賞金がたくさん設定されているので、参加する全てのドライバー&チームが多くの賞金を獲得できるということも魅力です。
ちなみに昨年10位で完走した武藤英紀は総額およそ2900万円をたった1レースで稼ぎだしています。夢がありますね!「インディ500」はそんな古き良きアメリカンドリームの感覚を今もなお維持しているイベントと言えるでしょう。
1周の平均速度は350kmオーバー!!
高額な賞金が魅力とはいえ、このレースに勝つこと、コンペティションに参加することはそんなに簡単なことではありません。「インディ500」が開催される「インディアナポリス・モータースピードウェイ」は1周が2.5マイル(約4km)あり、楕円形オーバルコースの中では最も長いコースとなります。昨年の予選で記録された1周の平均速度はなんと時速362km。F1の高速サーキット、モンツァ(イタリアGP)の予選の平均速度が時速250km程度であることと比べると「インディ500」は全く異なるスピード領域での戦いであることがわかりますね。ましてや壁に囲まれるオーバルコースですから、一瞬のミスや接触が大事故につながってしまう、危険度の高いレースです。並大抵の勇気ではこのレースを制することは不可能なのです。
ブリックヤードの愛称で親しまれる超高速コースを走るインディカーのマシン。 【写真提供:本田技研工業】 |
さて、次のページでは「インディ500」の決勝までの流れ、そして複雑な予選方式について解説していきましょう。