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4輪レースファンのための2輪レース講座(4ページ目)

F1もSUPER GTファンも今年は2輪ロードレースを見よう!4輪レースファンのために2輪ロードレースの魅力を分かりやすくご紹介。レースの解説から代表選手の紹介、ライダーの驚きの逸話まで紹介!

辻野 ヒロシ

執筆者:辻野 ヒロシ

モータースポーツガイド

このページではロードレースを楽しむ上でのキーパーソンとなるを3人のライダーをご紹介していきましょう。

F1転向も噂される史上最強のライダー、ロッシ

ヴァレンティーノ・ロッシ
【写真提供:ヤマハ発動機】
まずはこの人無くしては今のロードレースは語れません。すでに「フェラーリ」のF1テストを何度か実施し、F1転向も噂されているイタリア人、ヴァレンティーノ・ロッシです。

ヴァレンティーノ・ロッシは「GP125」「GP250」「GP500」「MotoGP」と出場した全カテゴリーで世界チャンピオンを獲得した唯一無二の最速ライダーで、最高峰クラス(GP500/MotoGP)だけでも7度のワールドチャンピオンを獲得しています。年齢はまだ31歳と若いですが、F1のミハエル・シューマッハーのような絶対的な存在のライダーです。

ロードレース界での人気はもちろんロッシがナンバーワンです。その人気の秘密は速さもモチロンですが、それ以上に彼のキャラクターにあります。レースに勝利した後のパフォーマンスが面白く、カメラを意識して様々なパフォーマンスを展開します。他のライダーには絶対に真似できないパフォーマンスで、彼はロードレース界のイニシアチブを完全に掌握してしまっているのです。
ロッシは自身の顔が描かれたヘルメットを装着したこともある。こんなフザケた演出が許されるのもロッシのキャラクターだからこそ。
【写真提供:Bridgestone Motorsport】
ロードレース界ではF1のような露骨な悪口や政治的な争いはあまり目立って出てきません。そこにはロッシが見せてくれる正々堂々としたコースでの戦い、そしてその前後に見せる「ユーモアあふれる」パフォーマンスによる心理戦が一役かっているのではないでしょうか?彼がF1にやってきたら、たぶんF1は大きく変わりますよ。

今年からMotoGPに昇格する世界王者、青山博一

そして、昨年「GP250クラス(昨年で終了)」で世界チャンピオンの座に輝いた、日本人ライダー青山博一(あおやま・ひろし)の存在も忘れてはいけません。青山は今年から自身の夢でもあった最高峰クラス「MotoGPクラス」にステップアップし、ロッシら並みいる強豪と同じ舞台で対決します。
青山博一
【写真提供:本田技研工業】
青山は千葉県出身の28歳。少年時代からミニバイクのレースに参戦するという今のライダーの典型的なキャリアを歩んできた彼は2004年からレースの舞台を世界選手権に移して、GP250クラスを戦ってきました。そして、苦労の末にようやく勝ち取った「世界チャンピオン」の称号。それを決めた時、ウイニングランで彼を祝福しにコースに侵入してきたファンは熱狂的な海外のロードレースファンたちでした。すっかり海外のファンをもトリコにしてしまっている青山の「MotoGPクラス」での走りは今年、最も注目です。彼とロッシを見るだけでも、ツインリンクもてぎの「日本グランプリ」に行く価値はあるでしょう。

43歳のベテラン、伊藤真一がスプリントから引退

国内のトップライダーもご紹介しましょう。取り上げたいのは、大ベテランの伊藤真一(いとう・しんいち)です。「スーパー耐久」にも参戦して優勝したりしていますから、4輪レースファンにもお馴染みかと思いますが、伊藤真一のロードレース歴はなんと25年。世界選手権のフル参戦経験も4年あり、世界選手権でも6度の表彰台経験があります(最高位は2位)。

さらに伊藤真一は世界選手権を離れてからも「全日本ロードレース」に参戦を続け、4度の全日本チャンピオンに輝いた実績の持ち主です。また、全くブレの無い安定したライディングで叩き出す「予選アタック」は一級品。「鈴鹿8耐」では7度の最多ポールポジション記録を持っています。
伊藤真一。デビュー当時からの甘いマスクは健在。
【写真提供:本田技研工業】
伊藤真一は前出の青山博一とは異なり、18歳でサーキットデビューをしたライダーです。いわゆる「バイクブーム期」にレースの世界に飛び込んだライダーで、世代的には自分のバイクで「峠を攻めた世代」です。デビュー当時のアマチュアレースは40台程度のグリッドに対し100台、200台のエントリーがあるのは当たり前でしたから、伊藤は今では考えられない過酷な環境を勝ち抜いてきたライダーのひとりです。だからこそ「勝ちたい」という思いが人一倍強く、今も若手のライダーたちに1歩もひけを取らないライディングは見るものを感動へと導きます。
伊藤真一のライディング。今シーズンも「KEIHIN Kohara Racing Team」からHONDA CBR1000RRを駆り、全日本JSB1000クラスにフル参戦する。
【写真提供:本田技研工業】
伊藤真一が「全日本ロードレース」JSB1000クラスのスプリントレースを戦うのは今年がラスト。そして、「鈴鹿8耐」を優勝が狙えるトップチームから出場するのもラストと言われています。アラフォー世代の4輪レースファンは彼の走りに感情移入してしまうこと間違いありません。ぜひサーキットで伊藤真一の走りを堪能してください。

次のページではロードレースの魅力をさらにいろんな角度から取り上げていきます。4輪レースとは異なるロードレースの楽しさを知ってください。
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