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4輪レースファンのための2輪レース講座(3ページ目)

F1もSUPER GTファンも今年は2輪ロードレースを見よう!4輪レースファンのために2輪ロードレースの魅力を分かりやすくご紹介。レースの解説から代表選手の紹介、ライダーの驚きの逸話まで紹介!

辻野 ヒロシ

執筆者:辻野 ヒロシ

モータースポーツガイド

日本国内のロードレース

かわって、日本国内のロードレースをご紹介しましょう。

【全日本ロードレース選手権】

まず、軸になるのは全日本選手権の「全日本ロードレース選手権」です。「MFJ スーパーバイク」の愛称が付けられたこのレースは日本国内のサーキットを転戦するので、最も気軽に見ることができるプロフェッショナルのロードレースです。

今シーズンの開催クラスは以下の通りです。
「JSB1000」・・・1000cc 4ストローク市販車 
「J-GP2」・・・600cc 4ストローク
「ST600」・・・600cc 4ストローク市販車
「J-GP3」・・・125cc 2ストローク、250cc 4ストローク
「GP-MONO」・・・250cc 4ストローク

このように、開催クラスが非常に多いので、1日にいくつものレースが見られるのが「全日本ロードレース」の特徴で、各クラスで展開されるバトルで朝から夕方まで楽しめます。なお、「全日本ロードレース」のテレビ放送はCS放送チャンネルの「GAORA」で録画放送されています。
軽量級の「GP125」クラス(今シーズンからJ-GP3に改称)
4輪レースとは異なりロードレースでは排気量別に様々なカテゴリーがあり、それぞれに「全日本チャンピオン」または「世界チャンピオン」の称号が与えられる。4輪車に比べて、ライダーの体格や体重の影響を受けやすい2輪レースでは、大柄なライダーが「軽量級」クラスで優勝するのは難しい。そのため各クラスのエキスパートが存在し、全日本ロードレースの軽量級クラスでは体重の軽い少年ライダーと小柄な40代のベテランが同じ土俵で戦うこともある。排気量の大きなクラスを目指していくライダーばかりではないということを頭に入れておきたい。
【写真提供:MOBILITYLAND】


【鈴鹿8時間耐久ロードレース】

そして、国内ロードレースで最も大きな盛り上がりを見せるイベントといえば「ハチタイ」の名前でお馴染みの「鈴鹿8時間耐久ロードレース(鈴鹿8耐)」です。
鈴鹿8耐のスタート
【写真提供:MOBILITYLAND】
年に1度、毎年7月末に開催されるのが恒例で、この時期は全日本ロードレースがお休みになり、国内のロードレースチームは「鈴鹿8耐」に集中します。レースに出場するのは国内チームがほとんどですが、実際には「世界耐久選手権」という世界選手権の冠がついており、レギュレーションも国内のものとは異なります。しかし、事前に走り込みを行う国内チームが優勝するのが恒例になっています。
鈴鹿8耐の決勝グリッド上位10台を確定する「トップテントライアル予選」。1台がコースを独占してアタックする。耐久レースなのでグリッドの位置はそれほど大きくは影響しないが、エンターテイメントとして楽しめる部分も鈴鹿8耐のお祭り的要素の一役を担う。こういった予選方式はF1でもかつて採用されたが、その起源は鈴鹿8耐だという説もある。
【写真提供:MOBILITYLAND】
今年で33回目の開催を迎える鈴鹿8耐。かつては1980年代のバイクブームに乗って爆発的な人気を獲得し、「若者のお伊勢参り」とさえ形容されるほどのムーブメントになりました。しかし、若者のバイク離れから観客数は減少し、昨年はピーク期の1/3の5万人まで落ち込んでしまいました。とはいえ、国内屈指の人気を誇る「SUPER GT」よりもまだまだ観客数は多いのです。

「鈴鹿8耐」を支えている観客の多くは80年代、90年代にロードレースに魅せられたブーム期の人達です。夏に仲間とバイクに乗って鈴鹿に行くのは、1年の中の恒例行事になっており、今もキャンプを楽しみながら気の合う仲間や家族を連れて「鈴鹿の夏」を楽しんでいるのです。
鈴鹿8耐の土曜夜に開催される「前夜祭」では恒例の「バイクであいたいパレード」が開催される。全国から800台のバイクが参加し、鈴鹿市内をパレードした後、夜の鈴鹿サーキットを走行する。
【写真提供:MOBILITYLAND】
最近はブーム期のような派手なメーカーワークスチームも出場しなくなり、出場台数も減少を続けていますが、お客さんが鈴鹿に集い、灼熱の8時間を戦うライダーやチームに惜しみない声援を送る姿は今も昔も変わっていません。関わっていて思うのですが、僕はライダーやチームの頑張りももちろんですが、何より「お客さんの熱さ」に感動させられます。この「熱さ」は日本で開催される他のレースでは絶対に感じることができないものです。4輪レースファンの方にも「熱い」ファンの方はたくさんいらっしゃると思いますが、「熱いファン」を自負されているなら、是非いちど今の鈴鹿8耐をご覧になってください。きっと、いろんな意味で感動してもらえると思いますよ。

次のページでは覚えておきたいロードレース界のスーパースターをピックアップします。
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