史上最年少で全日本の最高峰クラスに挑戦!

全日本ロードレースJSB1000/J-GP2のスタート
【写真提供:MOBILITYLND】
2010年、なんと若干15歳のライダーが「全日本ロードレース選手権」の最高峰クラス「JSB1000」を走っている。

「JSB1000」はスーパーバイククラスとも呼ばれる排気量およそ1000ccのスポーツバイクによって争われる国内最高峰のバイクレースカテゴリー。日本のトップライダー達が鎬を削る超ハイエンドなバイクレースだ。

そんな最高峰にチャレンジする15歳の少年の名前は「藤田拓哉」。
千葉県・山武市に住み、この春に高校に入学したばかりである。
藤田拓哉【写真提供:MOBILITYLND】

昔では考えられない、最年少デビュー!

ベテランの伊藤真一。18歳でレースデビューし43歳になった今も現役。伊藤は今年限りで全日本は卒業する。藤田拓哉はレース歴25年の伊藤らと同じレースを走る。
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80年代から90年代、「バリバリ伝説」や「汚れた英雄」などに触発され、バイクに乗った人も多いだろう。もしかしたら、バイクレーサーを志した人も多いかもしれない。今、全日本ロードレースでベテランとして活躍する伊藤真一(43歳)など、いわゆるアラフォーのライダーたちはまさにその世代の選手である。

そういったアラフォー世代のライダーたちの青春時代は750ccのバイクに乗るために「限定解除」することすら困難な時代であり、ビッグバイクはまさに少年たちの憧れの的だった。ましてや大型バイクでレースをしたり、全日本ロードレースの最高峰クラスに出場するなど、夢のまた夢。当時は18歳になって、高校を卒業してからレースの世界に飛び込むというのが当たり前の時代。大人になってから実現できる行為だった。

しかし今やロードレース界は世界を目指す若いライダーの若年齢化が顕著になっている。世界選手権を戦う若手たちがティーンエージャーに満たない年齢の時からポケバイやミニバイクでレースをしていたというのは当たり前。全日本ロードレースの軽量級クラス「J-GP3(昨年までのGP125)」には多くの中学生ライダーが出場しているし、ローティーンの選手が全日本に出場することは何ら珍しいことではなくなっている。でも、1000ccのビッグバイクで戦う最高峰クラスへ僅か15歳でチャレンジとなると前例が無い。

6歳からポケバイ、ミニバイク卒業から僅か3年

15歳の最年少スーパーバイクライダー、藤田拓哉が初めてバイクに乗ったのは小学校1年生の時。ポケバイでレースをする子供たちの姿を両親がたまたまテレビで見たのを機に、彼はポケバイに乗せてもらった。小学生時代はポケバイでレースを一生懸命戦い、やがてミニバイクのレースに出場。中学2年生になると125ccレース専用バイクで地方選手権に出場。いきなりの好成績をあげたため、2009年には国際ライセンスに昇格。藤田拓哉は本格的なロードレース歴わずか1年で、全日本ロードレース「GP250」クラスにデビューした。
GP250のレース
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2ストローク、250cc、レース専用でカリカリにチューニングされたマシンに乗り、宇井陽一ら世界GPでの優勝経験のあるライダーと共に戦った藤田は、レースごとに成長をみせ、最終ラウンドの鈴鹿では3位表彰台を獲得するに至る。
GP250クラス、昨年の鈴鹿の表彰式。中央は優勝した宇井陽一。右側3位が藤田拓哉
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しかし、残念ながら「GP250」は昨年をもって終了。次の挑戦カテゴリーを模索していた「DOG FIGHT RACING」の室井秀明代表は思い切って藤田を最高峰の「JSB1000」に挑戦させることを決めた。