中堅チームとしてのポジションが定位置に
ラルフ・シューマッハによりシェイクダウンされた2007年のトヨタF1カー、TF107 【写真提供:Toyota Motorsport】 |
以前から問題視されていた車体開発がうまくいかず、決定打を見いだせないままシーズンが過ぎた。この年限りでラルフ・シューマッハが引退したが、低迷の原因には年俸が高額なくせにアグレッシブさの全く足りないドライバーの努力不足があったと見る向きもある。
新生グロック加入でベテランも刺激を受けた?
開幕前にプレスカンファレンスに登場した新鋭ティモ・グロックとサードドライバーの小林可夢偉 【写真提供:Toyota Motorsport】 |
ベテランのトゥルーリは前年までとは打って変わって、シーズン序盤からコンスタントにポイントを取り続け、グロックが4位に入賞するとトゥルーリも負けじと3位表彰台を獲得してみせた。しかし、この年の最高位は新人のグロックの2位だった。それまでの2年に比べるとこの年のマシンTF108は信頼性が高く、多くのグランプリでポイントを獲得し、コンストラクターズランキングも5位と改善した。
気合充分だったラストシーズン、優勝が至上命令
トゥルーリとグロック 【写真提供:Toyota Motorsport】 |
シーズン当初から「優勝しなければ、来年はない」と上層部がハッパをかけるなか、チーム一丸となって優勝を狙い邁進したのである。昨年までの強豪だったマクラーレンやフェラーリといったトップチームが低迷する中、チャンスは数多く存在した。シーズン序盤は3度の表彰台を獲得し、序盤戦はトヨタの初優勝は大いに可能性があった。
バーレーンGPで3位を獲得したトゥルーリ 【写真提供:Bridgestone Motorsport】 |
次のページではトヨタF1チームに関するトピックスをいくつか取り上げます。