F1/F1(フォーミュラ1)について

フォーミュラカーの時代による変遷

モータースポーツ基礎講座(その2)。F1マシンは常に進化を続けています。一口にフォーミュラカーといっても時代によってその形状を大きく変化させてきました。その変遷をご紹介します。

辻野 ヒロシ

執筆者:辻野 ヒロシ

モータースポーツガイド

F1は世界最速のアートである

フォーミュラカーレースの頂点に立つFormula One(フォーミュラワン)は世界一速いドライバーを決めるレースとして知られています。それともう一つ、「世界最速のクルマ」を決める戦いということも忘れてはなりません。
SUPER AGURI F1 TEAMの2007年型マシン(写真提供:本田技研工業)

F1グランプリにはコンストラクターズチャンピオンシップ(車両製造社選手権)という選手権が存在し、これまで世界中の自動車メーカー、レーシングカー製造会社がF1マシン製作にチャレンジし「世界チャンピオン」の座をかけて争ってきました。

その激しい競争の中で、技術者達は寝る間を惜しんで知恵を搾り出し、失敗を繰り返し、ライバルより少しでも速いマシンを作ってきたのです。今回はF1参戦歴の長い、ホンダのF1マシンの写真を通じて、フォーミュラカーのデザインの変遷を見てみましょう。

1960年代 葉巻型と呼ばれたフォーミュラカー

写真は60年代に第一期F1活動を行っていたホンダのF1マシンです。
1960年代のF1マシンはかなり時代を感じるデザインですね。今のF1マシンとは似ても似つかない独特の形をしていますが、これでも当時のトレンドに則った形状です。マシンの鼻先に冷却用のラジエーターを搭載しており、先頭部には穴があいています。マシンの概観が葉巻タバコのように見えることから、こういうデザインのフォーミュラカーは俗に「葉巻型」と呼ばれています。
ホンダRA300 1967年イタリアGP優勝(写真提供:本田技研工業)

この当時のF1マシンは実にシンプルです。不必要なものを削ぎ落としていった結果がこの形というわけです。なんだか骨と皮だけという雰囲気ですね。この時代はマシンの安全性に対する意識が希薄で、今のような強固なカーボン性のコクピットでないのはもちろん、驚くべきことにシートベルトさえありません。
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