F1/F1(フォーミュラ1)について

フォーミュラカーの時代による変遷(3ページ目)

モータースポーツ基礎講座(その2)。F1マシンは常に進化を続けています。一口にフォーミュラカーといっても時代によってその形状を大きく変化させてきました。その変遷をご紹介します。

辻野 ヒロシ

執筆者:辻野 ヒロシ

モータースポーツガイド

ダウンフォースとは?

飛行機とは逆の原理
レーシングカーはウイングなどの空力付加物によって下向きの力(ダウンフォース)を得て、路面にタイヤを食いつかせて走っています。このダウンフォースが増えるとコーナーで安定感が増すため、コーナーを速く走る事ができます。

そのダウンフォースを得るためのウイングは飛行機の翼とは逆に角度が付いたものを利用しており、「飛び上がる」とは逆の原理で「押さえつける」力を得ているわけです。

70年代はフォーミュラカーのデザインにおいて、空力の研究が一気に進んだ時代です。ダウンフォースをウイングだけでなくマシン全体で得ようという「ウイングカー」の発想も70年代に生まれました。これはマシンの底面にウイングと同様に角度をつけたもので、70年代の後半はウイングカーの台頭でF1のコーナリングスピードはどんどん速くなっていきました。またラジエーターはコクピットの横(サイドポンツーン)に移動して、デザインが現在のF1に随分と近づきました。

80年代になってホンダが再びフォーミュラカーレースに

1980年ホンダは11年ぶりにフォーミュラカーレース活動を開始。
まずはヨーロッパF2選手権にラルト・ホンダで参戦した。

写真はF2マシンです。ホンダはまずはヨーロッパF2に参戦しました。F2でホンダエンジンは圧倒的な強さを見せ、これがF1復帰への足がかりとなったのです。

80年代前半のフォーミュラカーはウイングカーが主流です。ボディ下面にウイング状の角度を付け、車高を下げ、ボディ下面に流れる空気を急激に後方に逃がすことによって、ウイングなどと同じ効果をもって強大なダウンフォースを得ようというデザインです。

空気を流す底面をできる限り地面に近づけて、ペタペタな状態にするために、サスペンションはガチガチに固められています。

※ウイングカーはベンチュリーカーまたはグランドエフェクトカーとも呼ばれる。
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