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さらば!2スト・250ccレーサーマシン(2ページ目)

2ストローク250ccのエンジンを搭載したレーサーマシンによるレース「GP250」が今年をもって終了する。日本を代表するライダーを数多く輩出した「中量級」レースの今後についても紹介する。

辻野 ヒロシ

執筆者:辻野 ヒロシ

モータースポーツガイド

時代の流れと共に大きくなる4ストローク化の波

では、なぜ「GP250」が消滅するのか?

その最大の理由は環境への配慮である。街乗りのバイクを見ても、新車として発売されるバイクのエンジンは4ストロークエンジンが多く、今やスクーターのエンジンまでも4ストロークがほとんどを占め、2ストロークを使用するのはごく一部のバイクのみである。環境にやさしい4ストロークエンジン化の波はレース業界にも押し寄せ、ロードレース世界選手権の最高峰クラス「MotoGP」は2003年から4ストロークエンジンのみを使用するレースになっている。
2003年、バレンティーノ・ロッシが駆り王座を獲得した4ストロークエンジンのMotoGPマシン、RC211V。前年まではGP500クラスに準じた2ストローク500ccのマシンが混走していた。
【写真提供:本田技研工業】

いづれは「GP250」「GP125」といった2ストロークエンジンのレースは消滅すると言われていたが、ワークスマシンの開発でコストが高騰しエントリー台数が減少傾向にあった「GP250」からテコ入れが行われ、600cc4ストロークエンジンの新しいカテゴリーへと移行することになった。新レース「Moto2」については後述する。

全日本「GP250」も今年がラストレース!

2009年10月31日、11月1日に鈴鹿サーキットで開催される全日本ロードレース最終戦「MFJグランプリ」は全日本「GP250」の最後のレースとなる。全日本「GP250」は日本人ライダーが世界選手権へと旅立つキッカケとなった「世界への登竜門」的なレースとして大きな役割を果たしてきた。後に世界チャンピオンに輝くことになる原田哲也、加藤大治郎をはじめ、岡田忠之、宇川徹、中野真矢、青山博一、高橋裕紀ら後にMotoGPに参戦することになるトップライダーもチャンピオンを獲得した経験がある。

全日本「GP250」は市販のレースマシンを購入して参戦でき、現在でもエンジンなどの一部の改造を施すことで世界選手権にもワイルドカードで出場できるとあって、常に人気を博していたカテゴリーだった。世界選手権は新しくスタートする「Moto2」が「GP250」に代わるカテゴリーとしてスタートするが、全日本には600ccの市販スポーツバイクによる「ST600」が存在しており、「Moto2」のような新カテゴリーの登場は今のところ予定されていない。
全日本GP250のラストシーズンでチャンピオンを狙う宇井陽一(ヤマハ)
【写真提供:MOBILITYLAND】
鈴鹿で開催される「MFJグランプリ」では終焉を迎える「GP250」のラストレースにちなんで、岡田忠之、高橋裕紀による往年の「GP250」マシンのデモ走行なども予定されている。250ccのバイクにビビっと来る世代の方は是非ともその雄姿を目に焼き付けて欲しい。

また、土曜日と日曜日の2日間、2レース開催される「GP250」には来年以降の世界選手権「Moto2」に参戦するプロトタイプマシンも章典外で参戦することになっており、まさに時代の移り変わりを象徴するレースになるだろう。次のページでは新しく世界選手権のカテゴリーとして加わる「Moto2」についてもご紹介しよう。

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