佐藤琢磨のマシンも展示されている
F3マカオグランプリは日本人にとって難攻不落の存在だった。90年代後半から徐々に日本人の活躍も見られるようになったが、やはり日本のレースファンを大きく刺激したのは佐藤琢磨の優勝(2001年)であろう。誇らしげに展示されている佐藤琢磨がが駆ったカーリーンモータースポーツのダラーラ・無限ホンダ。すでにF1デビューを決めていた佐藤はクラッシュで幕を閉じた前年の雪辱を晴らすために参戦。見事に優勝し、日本人初のマカオウイナーという称号と共にF1へと昇格していった。 |
近年はフォーミュラルノーなどの育成レースもマカオGPの前座で開催されているため、前年に練習しコースに慣れ、勝負の年にF3で走り優勝を狙うというドライバーが多い。シミュレーターもあるので物おじせずにいきなり優勝を争う日本人ドライバーも増えてきている。昨年、初めてのマカオ挑戦で優勝を飾った国本京佑(現フォーミュラニッポン)などはその代表的な例だろう。
マカオで活躍した日本人たち
日本人はマカオのレースが苦手と言いながらも実は日本人ドライバー&ライダーは過去にマカオで大活躍している。現在はWTCC(世界ツーリングカー選手権)の最終戦として開催されているツーリングカーレース「ギアレース」では舘信秀が74年、75年と2連勝し「マカオの虎」と呼ばれたことがあったし、90年にはR32スカイラインGT-Rで長谷見昌弘が「ギアレース」で優勝を飾っている。そして、67年から開催されている2輪の「モーターサイクルグランプリ」の初代優勝者はなんと日本人である。60年代から70年代にかけては6人もの日本人がマカオ2輪グランプリを制している。
「モーターサイクルグランプリ」のコーナーには67年の初代ウイナーである日本人、長谷川弘のマシン(ヤマハ)が手厚い扱いで展示されている。日本人には馴染みが薄いマカオの「モーターサイクルグランプリ」だが、毎年土曜日に決勝レースが開催されている。近年は英国スーパーバイク選手権に参戦しながらマン島TTレースに参戦するキレた英国人ライダーが優勝することが多いが、日本人からまたこういったレースに挑戦するライダーが登場して欲しいものだ。 |
「ロケット・ロン」の異名を持つロン・ハスラム、そして「ペプシカラーの34番」でお馴染みのカリスマ、ケビン・シュワンツのマシンなど「モーターサイクルグランプリ」は2輪レースファンならずとも是非観ていただきたい。 |
まだまだ紹介したいマシンはいくつもある。しかし、これくらいにしておこう。なぜならここはファンの方にはもちろん多くの方にじっくりと自分の目で見て頂きたい素晴らしいミュージアムだからだ。
ここではマカオグランプリの歴史を学び、その勝者や名勝負を演出したマシンに出会うことができる。海の向こう、しかし、同じアジアの国に日本よりも成熟したレースの文化がある。そのことを肌で感じとって頂きたい。ちょっと、いや、かなり悔しい気分になるのはきっと私だけではないだろう。
【マカオグランプリ博物館】 場所: Rua Luis Gonzaga Gomes, 431, basement 営業時間: 午前10時~午後6時 (火曜日定休) Tel: (853) 8798 4108 Fax: (853) 2870 6076 |
【関連リンク】
マカオグランプリ 公式サイト
マカオ政府観光局
(2006年の取材記事)
究極のレース、マカオGP現地リポート
猛者たちが挑むギアサーキット
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