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進化を続けるレーシングカートの世界(4ページ目)

数多くのF1ドライバーを輩出したレースとして知られる「ワールドカップカートレース」が鈴鹿・国際南コースをレポート。ワークスチームの参戦、F1ドライバーの息子の参戦など話題満載のレースになった。

辻野 ヒロシ

執筆者:辻野 ヒロシ

モータースポーツガイド

エディ・チーバーの息子が鈴鹿に登場!

今大会で一際注目を集めたのがF1ドライバーの息子、エドアード・チーバーである。

エドアード・チーバー
現在15歳と若く期待がもてる。数年後にはフォーミュラカーレースで名前を聞くことになるだろう。
元F1ドライバーで最近までインディカーのドライバーとして長年レースを戦っていた米国人エディ・チーバーJrを父に持つ彼はイタリアのスポーツ国籍でアジアパシフィック選手権として開催された「KF2」クラスにエントリー。予選ヒートでは印象的な追い上げを見せたものの、決勝レースではタイヤのスローパンクチャーに見舞われ、残念ながらレースはリタイアとなった。

F1ドライバーのジュニア世代としてはロズベルグ、ピケJrなどがF1でも活躍中で、ロズベルグはもてぎ開催のワールドカップを走っていた。3年前にはパトリック・タンベイの息子のエイドリアン・タンベイがアジアパシフィック選手権ICAクラスに参戦したことがあったが、タンベイは今年からユーロF3で戦っている。今回参戦したエドアード・チーバーを含めて、彼らF1ドライバーの息子たちの名前がF1で見られる日もそう遠くはなさそうだ。

次世代フライングフィン、アロ・ヴァノ!

アロ・ヴァノ
ロズベルグ親子、ハッキネン、ライコネンと数多くのF1ワールドチャンピオンを輩出しているフィンランドから印象的なドライバーがまた登場した。

イタリアのカートメーカー「マラネロ」のワークスドライバーであるアロ・ヴァノは15歳という若さながら最高峰の「SKF」の舞台で、鈴鹿は初めてと思えない速さを見せた。初日から好調ぶりを発揮するも、日曜日のプレファイナルではエンジンの不調で低迷した。しかし、決勝は18番手スタートから見事な追い上げを図り、6位フィニッシュと粘り強さも見せてくれた。


日本人では佐々木大樹が大活躍!

佐々木大樹
海外のワークスチームが大挙して来日する「ワールドカップ」では国内で活躍する日本人の活躍はとても難しい。

そんな中、名門トニーカートのジャパンチームで参戦した佐々木大樹が「SKF」クラスのトップ争いに絡む活躍を見せてくれた。佐々木は07年、08年と全日本カートの最高峰クラスを2年連続で制しており、昨年からは育成フォーミュラのFCJでも活躍している17歳だ。輝かしいキャリアに裏打ちされた素晴らしい走りで、決勝レースでも好走するもレース中盤から徐々に順位を落とし7位フィニッシュ。それでも日本人の中では最高位のリザルトを残した。今後はFCJでの活躍を期待したい。

SKFクラスで優勝を飾ったのはワークス体制ではないINTREPIDのブラバンデル。彼は18歳と若いが今後もカートドライバーを継続するそうだ。またKF2クラスでは激戦を制し、イタリアの17歳ティエネ(KOSMIC)が優勝を飾り喜びの表情を見せた。

例年以上にレベルが高いと期待された今大会、カート一筋で戦うドライバーの活躍も目立ったが、数年後にはきっと今大会で注目された若手がフォーミュラでも台頭してくることは間違いない。そう、ワールドカップの舞台、鈴鹿の道は彼らが目指す次の世界最高峰へとつながっているのである。

【関連リンク】

鈴鹿サーキット ホームページ


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