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進化を続けるレーシングカートの世界(3ページ目)

数多くのF1ドライバーを輩出したレースとして知られる「ワールドカップカートレース」が鈴鹿・国際南コースをレポート。ワークスチームの参戦、F1ドライバーの息子の参戦など話題満載のレースになった。

辻野 ヒロシ

執筆者:辻野 ヒロシ

モータースポーツガイド

小さなF1、その本物がここにあった!

現在のレーシングカートの主流は排気量125ccの2ストローク水冷単気筒エンジンを搭載するカテゴリーだ。ローカルレース、地方選手権ではエンジンのチューニングが禁止されているが、国際格式のレースともなるとエンジンチューニングが可能となり、凄まじいパワーとトルクを持ったエンジンを使用しレースが行われている。

今年のワールドカップには「SKF」というクラスが新設された。これは2007年からスタートした「KF1」クラスの改造許容範囲をさらに広くしたもので、「SKF」クラスではさらに高度なエンジンチューニングが施せるようになった。今大会においては各メーカーのワークスチームはこの「SKF」クラスにこぞって参戦している。
SKFクラスの決勝レースの模様。
非ワークスチームのINTREPIDを駆るブラバンデル(ベルギー)に迫るトニーカートジャパンの佐々木大樹、そして各トニーカートワークスのギャリー・キャット(英国)が続く。

SKFクラスが設定された今大会、ワークスチームは最高レベルの体制で鈴鹿に挑んできた。海外ワークスチームの技術レベルは非常に高く、最新のパーツが取りつけられるのは当然で、パーツの配置方法なども従来のレーシングカートでは考えられない手法が取り入れられているという。
その技術革新を後押ししているのが、センサー&データロガーの導入である。現在のレーシングカートにはエンジン回転、水温計測、排気温度計測などが可能なセンサーが取りつけられ、走行後にはデータロガーで走行データをコンピューターに吸い出し、データを解析できるようになっている。

ロガーでデータを取るなど、やっていることはもはや4輪レースと同様のことになってきているレーシングカート。たかがレーシングカートと侮ってはいけない。レーシングカートは「小さなF1」と呼ばれるが、それは見た目や構造からそう呼ばれているだけで、こういった世界レベルの戦いでワークスチームのマシン作りや戦いぶりを見ていると、本当の意味でレーシングカートが「小さなF1」であることを認識させられる。

次のページでは今大会、注目を集めたドライバーをご紹介しよう!

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