路面は乾いた!#1 宝山TOM'Sが晴用タイヤに交換!
サーキットを大混乱に陥らせた突然の夕立はこれまたあっという間に通り過ぎた。雨はあがり、路面は乾き始める。各チームはドライタイヤに変える用意をしている。しかし、実行するかは相手の動向次第。ピットインをすれば負けになるかもしれない。#8 ARTA NSXのピットクルーはピットロードに出て#1 宝山TOM'S SC430の遠く離れたピットを見つめ動向をうかがっていた。夕闇を走行する宝山TOM'S SC430 (写真提供:モビリティランド) |
日没し、サーキットが暗闇に包まれた159周目、#1 宝山TOM'S SC430(ロッテラー)が突然のピットイン! メカニックがあわただしくタイヤをドライタイヤに変える。その次の周には#8 ARTA NSXもピットインしタイヤ交換をするが#1 宝山TOM'S SC430が猛烈な勢いで#8 ARTA NSXの背後に迫る。#8 ARTA NSXはタイヤが冷えたアウトラップで成す術無し。160周目に#1 宝山TOM'S SC430がトップに浮上した。
宝山TOM'S SC430 |
一瞬の判断の差が明暗を分けた。
宝山TOM'SのピットインでARTA NSXは1分以上リードしていた。タイヤを変えずにレインタイヤで走り、そのまま逃げ切ることも作戦として考えられたが、乾き行く路面をレインタイヤで走るといずれタイヤはボロボロになる。宝山TOM'S SC430がピットインしたタイミングは絶妙だった。まさにレインタイヤとドライタイヤの瀬戸際の難しい判断をドライバーがキッチリと見極めることができたわけだ。
レースはラスト数周で#8 ARTA NSX(ファーマン)がトップとの差を詰めていくものの10秒以上開いており時すでに遅し、そのまま#1 宝山TOM'S SC430がトップでチェッカーフラッグを受け、今季初優勝を飾った。
日本のレース史上に残る大激戦だった。これほどまでに観客を惹きつけるレース展開はめったに見られない。何といってもレースが膠着したのは僅かに1時間程度だ。天候の変化もレースのドラマを演出してくれたが、それ以上にSUPER GTというレースの内容の濃さ、面白さを実感するレースだった。
GT500クラス表彰式の様子 最終的には3大メーカーのエースカーが表彰台で顔を揃えた。 |
【SUPER GT Rd6 POKKA1000km GT500 TOP3】
優勝:#1 宝山TOM'S SC430(脇阪/ロッテラー/ジャービス)
2位:#8 ARTA NSX (伊藤/ファーマン/井出)
3位:#23 XANAVI NISMO Z (本山/ライアン/安田)
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