逃げるNSX 追うSC430! その差は常に10秒以内
#8 ARTA NSX (写真提供:モビリティランド) |
実はウェイトハンデが最大の100kgに達したマシンは、重量ハンデは50kgまで軽減しその代わりにエアリストリクター径を1ランク小さくする(エンジンパワーが抑えられる)という選択肢を取ることも可能なのだ。ARTA NSXは今大会では後者の選択の方が有利とよんで、軽いウェイトでレースに挑んでいた。
またARTA NSXの躍進にはピット作戦も功を奏した。2回目のピットインを終えて、各メーカーの1000kmを戦うピット戦略が見えてきたのでここでご紹介しよう。
ニッサン : セオリー通りの5回ピット作戦 序盤はソフトタイヤで逃げ
トヨタ : 4回ピット作戦 ピットのたびにタイヤ4本交換
ホンダ : 4回ピット作戦 1,3回はリア2本交換 2,4回は4本交換
これまでの鈴鹿1000kmレースのセオリーは5回ピット作戦(6スティント走行)なのだが、NSXとSCは燃費が良いため4回ピット作戦が可能となった。ニッサン勢はピットでの火災やアクシデントなどでふんだりけったりの状態になり、さらにはタイヤのグリップが予想以上に早く落ち、序盤で上位を走ることができなかった。
2番手をキープしながらARTA NSXを追う宝山TOM'S SC (脇阪/ロッテラー/ジャービス)(写真提供:モビリティランド) |
トップはARTA NSX、2番手には昨年のチャンピオンマシン、#1 宝山TOM'S SC430(脇阪/ロッテラー/ジャービス)がつける。この2台はピットインのタイミングは同じ。上記の通り、ARTA NSXのタイヤ交換は2回に1回はリアタイヤのみの交換のため、その分マージンを築くことができる。しかし、コースに出て行くと#1 宝山TOM'S SC430のペースが速く数秒差まで詰め寄ってくる。トップ争いは目が離せなくなった。
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