モータースポーツ/その他のモータースポーツ関連情報

POKKA1000kmは歴史に残る名勝負!(3ページ目)

SUPER GT第6戦『第36回インターナショナルポッカ1000km』の決勝レースはハプニング続出、トラブル・クラッシュ頻発!SUPER GTの歴史の中で最大の名勝負に観客が酔いしれた。

辻野 ヒロシ

執筆者:辻野 ヒロシ

モータースポーツガイド

逃げるNSX 追うSC430! その差は常に10秒以内

#8 ARTA NSX
(写真提供:モビリティランド)
様々なアクシデントで順位がめまぐるしく入れ替わる中、トップに立ったのは#8 ARTA NSX(伊藤/ファーマン)だ。その速さの秘密はウェイトにあった。

実はウェイトハンデが最大の100kgに達したマシンは、重量ハンデは50kgまで軽減しその代わりにエアリストリクター径を1ランク小さくする(エンジンパワーが抑えられる)という選択肢を取ることも可能なのだ。ARTA NSXは今大会では後者の選択の方が有利とよんで、軽いウェイトでレースに挑んでいた。

またARTA NSXの躍進にはピット作戦も功を奏した。2回目のピットインを終えて、各メーカーの1000kmを戦うピット戦略が見えてきたのでここでご紹介しよう。

ニッサン : セオリー通りの5回ピット作戦 序盤はソフトタイヤで逃げ

トヨタ : 4回ピット作戦 ピットのたびにタイヤ4本交換

ホンダ : 4回ピット作戦 1,3回はリア2本交換 2,4回は4本交換


これまでの鈴鹿1000kmレースのセオリーは5回ピット作戦(6スティント走行)なのだが、NSXとSCは燃費が良いため4回ピット作戦が可能となった。ニッサン勢はピットでの火災やアクシデントなどでふんだりけったりの状態になり、さらにはタイヤのグリップが予想以上に早く落ち、序盤で上位を走ることができなかった。

2番手をキープしながらARTA NSXを追う宝山TOM'S SC
(脇阪/ロッテラー/ジャービス)(写真提供:モビリティランド)

トップはARTA NSX、2番手には昨年のチャンピオンマシン、#1 宝山TOM'S SC430(脇阪/ロッテラー/ジャービス)がつける。この2台はピットインのタイミングは同じ。上記の通り、ARTA NSXのタイヤ交換は2回に1回はリアタイヤのみの交換のため、その分マージンを築くことができる。しかし、コースに出て行くと#1 宝山TOM'S SC430のペースが速く数秒差まで詰め寄ってくる。トップ争いは目が離せなくなった。

次のページでは鈴鹿に降り注いだ突然の大雨で大きく動いたレース後半をレポートします。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます