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チャンピオンは14歳 全日本GP125(4ページ目)

テレビや雑誌で話題の少年ライダー、中上貴晶選手にインタビュー。全日本ロードレース選手権GP125クラスで史上最年少のチャンピオンに輝いた中上選手の全日本最終戦をレポートする。

辻野 ヒロシ

執筆者:辻野 ヒロシ

モータースポーツガイド

全日本ロードレース完全制覇で卒業! しかし、喜び一転

貫禄の走りでサーキットを沸かせた中上。しかし、思いがけないアクシデントが彼を襲った。
(写真:Yoshi KITAOKA)
2006年11月5日(日曜日)、秋晴れの好天に恵まれた鈴鹿サーキットで行われた「全日本ロードレース選手権」は各レースで好バトルの熱戦が続いていた。

前日の予選で中上は70/1000秒差でポールポジションを逃し2番手からのスタートになった。しかし、常時トップ集団でレースを進め、ベテランの菊池、同世代の富沢と三つ巴のバトルを展開した。6周目に集団から抜け出すと、得意の独走状態に持ち込み、コースレコード(最速ラップ記録)を更新し、そのままトップでゴールした。中上は全戦全勝という圧倒的な強さで全日本ロードレースGP125を完全制覇しシーズンを終えた。

しかし、ゴール直後に信じられないアクシデントが中上を襲った。なんと後続のマシンが中上のマシンに追突し、中上は吹っ飛ばされてしまう。喜びの舞台は急転し、サーキットは凍りついた。中上は病院に搬送され表彰式に参加することができなかった。

このアクシデントで中上は左手首を骨折する重傷を負ってしまった。2週間後にはスペイン選手権を控えているが、残念ながら欠場となる見通しだ。

中上選手から読者に向けてのメッセージ

中上貴晶、彼の存在がきっと日本のロードレースを変えていくはずだ。
(写真:Yoshi KITAOKA)
今後も日本のファンの期待を受け、ロードレースの世界で成長を続けていくであろう中上選手からAll Aboutの読者の皆さんにメッセージを頂いた。

「バイクに興味が無い人も、サーキットに足を運んで欲しいです。サーキットで生のレースを見てもらえれば、興奮したり、レースって面白いと思ってもらえると思います。一度でもいいから僕のレースを見に来てください。サーキットに足を運んでくれることが僕にとって一番嬉しいです」

14歳の天才ライダー。こんな風に各メディアで中上貴晶の逸材ぶりは伝えられている。取材を受けるのは彼にとって日常茶飯事であろう。今はこの年齢だから注目されるのかもしれない。しかし、実際には他にも彼と同じ年齢でレースをしている少年、少女がサーキットに多数いるのだ。

結果と記録は確かに注目を集める。でも僕は中上選手に会ってみて凄まじい人間の力を感じることができた。驚きの連続だった。今後、彼が人々の記憶に残っていくライダー、アスリート、そして人間に成長していく気がしてならないのだ。

彼は世界の舞台へと旅立っていく。しばらくの間、中上選手の走りが見れるチャンスは少ないかもしれない。しかし、スタンドでレースを見るだけでも彼からパワーをもらえることを僕は確信している。

ロードレースは人間の強い心、情熱、パワーがみなぎるスポーツ。
これが中上貴晶の生きる道である。


<関連リンク>
中上貴晶 公式ウェブサイト
<取材協力>
Nプランニング
Team HARC-PRO (中上貴晶 所属チーム)
WINNING WINDS RACING PRESS(写真提供 Yoshi KITAOKA)

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