スズキも分かっている
車体各部の吸音・遮音対策、風騒音、ロードノイズの低減など、徹底した静粛性へのこだわりが見受けられる |
これといった弱点を持たず、むしろ乗り心地の質感などヨーロッパ車のようなのだ。例えば動力性能は必要にして十分以上。キザシに搭載されるエンジンは決して新しい設計じゃないが、大改良の甲斐あってトルクフルでスムースさも申し分なし。強いて言えばアクセルレスポンスをもう少し穏やかにすれば、ググッと上質になると思う。
サスペンションも良い。ヨーロッパ車的な固めのセッティングながら、強い剛性を持つボディに、動きが滑らかなショックアブソーバーを組み合わせているため、路面の凹凸に出くわしても不快なショックは感じさせずなかなか快適。以上、よく仕上がったセダンながら、売れ行きは伸び悩むと思う。
サテンメッキなどを取り入れ、スポーティーさを感じさせると共に、上質感も失っていない。フラグシップらしい堂々としたインテリアだ |
1つ目がスタイル。悪いスタイルでこそないものの、よく見るとSX4セダンをそのまま大きくした感じ。見た感じの高級感を要求される250万円以上の価格帯のクルマだと考えれば物足りない。
2つ目はスズキのイメージ。ほとんどの人は「スズキがアコード級のセダンを作った」と言っても、興味を持たずに流してしまうだろう。そのあたりはスズキが一番認識しているようで、日本ではボディカラーは3色のみの受注生産という販売形態になっています。
なお、価格はオーディオ&カーナビ以外サイド&カーテンエアバッグ、姿勢制御デバイスESPと安全装備、本革シートやクルーズコントールまでフル装備で278万7750円(FF車、4WDは21万円高)。稀少車マニアなら飛びつくしかあるまい!
撮影:篠原晃一・カーセンサー