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タイプRとは全く違うシビックタイプRユーロ(2ページ目)

タイプRファン待望のハッチバックモデルがようやく日本にも2010台限定で導入される。スパルタンなセッティングが施されていた4ドアモデルのタイプRとどう違うのか。レポートします。

国沢 光宏

執筆者:国沢 光宏

車ガイド

テストドライバーも唸る

シビックタイプRユーロ
ザックス製のショックアブソーバーを採用していることもあり、スパルタンなセッティングだった4ドアモデルとは対照的に、日常ユースでも高い乗り心地を発揮する

とりあえず試乗してみよう。走り出してすぐ「これは!」と驚くのが乗り心地。素晴らしく良いのだ。ベンツやBMWなども御用達のザックス社(独)のショックアブソーバーを採用しているからだという。ホンダのテストドライバーに聞くと「やっぱり圧倒的にバランス良いです。減衰力を高くしても乗り心地が悪くなりません」。

今やザックス製ショックアブソーバーの良さは、ホンダもトヨタも日産も三菱自動車も認識している。実際に、海外工場で生産しているクルマには採用しているからだ。「良いショックアブソーバーを使わせてくれれば良いクルマに仕上げられるぞ!」と主張しているような奥行きがあって質感の高い乗り心地であります。4ドアのタイプRと好対照。

シビックタイプRユーロ
4ドアモデルにも備わるi-VTEC/REVインジケーターを採用。高回転域の回転数を光で直感的に伝え、シフトアップのタイミングを知ることができる

それでいてハンドリングも文句なし! ブレーキやアクセルオフで前輪に荷重を移しながらハンドルを切り込むと外側の前輪がしなやかに路面を掴み、全くアンダーステア無しにクルマの向きは変わっていく。嬉しいことに前輪荷重の大きさによってリアの挙動を自由自在にコントロール可能。その気になればテールをスライドさせることだって簡単。

荒れたワインディングロードをハイスピードで駆け抜けた時の気持ちよさときたら、現在日本で買えるFFの中じゃトップクラスであります。全ての車種でザックス製のショックアブソーバーを採用したら、ホンダ車の走りのイメージは大きく変わることだろう。高速道路からワインディングロードまで、どんな道を走っていても楽しいです。

エンジンは225馬力を発生する4ドアのタイプRより低い201馬力。車重も4ドアより50kg重いため、絶対的な動力性能からすれば届かない。でもVTECエンジンの高回転側の切り替え回転数を低くするなど、実用回転域での使い勝手を向上させているため、むしろトルクフル。いろんな意味で「違いの解るクルマ通」にすすめたい。

撮影:篠原晃一・カーセンサー
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