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万全な新型ステップワゴンに足りないモノ(2ページ目)

5ナンバーサイズのミニバンで一番広い室内空間を実現した新型ステップワゴン。3列目シートの実用性も格段に向上したが、セレナやノア/ヴォクシーなどが競合となる激戦区で、果たして優位に立てるのか?

国沢 光宏

執筆者:国沢 光宏

車ガイド

新型セレナには勝てるのか?

ステップワゴン
ボディサイズは拡大したものの、5ナンバーに収まっている。環境性能の向上とともに、ユーザーにとっては嬉しいポイントだ

環境性能も先代より進化。燃費を追求した電子スロットル採用2リッターのVTECエンジンにCVTを組み合わせ、全ての速度域で効率稼ぐ。『ECON』モードを選択すると、5~10%程度実用燃費が改善されるというから凄い。結果、FFモデルは平成22年度の燃費基準+25%を達成。

4WDも同+20%となり、全車エコカー減税の対象車となった。それでいて価格は実質的な値下げ。リアクーラーやキーレスエントリー、UVカットガラスなど、機能的にほぼフル装備となる『G』で208万8000円。ライバルであるセレナの同等グレードより8万円安価。

ステップワゴン
左右に広がる横基調のインストルメントパネル。視認系と操作系をきっちりと分けて配置されている

以上、スペックなどを客観的に判断すれば、相当魅力的である。ただ今までの流れからすると、それだけじゃ苦戦するハズ。ホンダというメーカー、伝統的に販売力が弱い。「ライバルと競合するような商品じゃ売れない」ということです。ダントツの魅力を持ってないと競り負けちゃうのだ。

といった観点から評価するとどうか? 価格優位性は値引き競争で明確な差が無くなってしまうし、クルマとしての魅力も、新型セレナの登場でどうなるか不明。そう。セレナも間もなくフルモデルチェンジする。当然ノア/ヴォクシーだってテコ入れしてくるに違いない。

さて。商品としての完成度はトップクラスとなったステップワゴンが苦戦するなら、やはり「全く違うコンセプトを持つダントツの商品作りをしなければダメだ」と覚悟するか「もはや抜本的な営業力の見直しを行う」のドチラかだと思う。個人的には後者に注力すべきだと考えます。
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