ヨーロッパ車の走り
2003年に初代モデルが発売され、世界累計販売台数は200万台にも上る。マツダの年間総販売台数の3分の1を占める主力モデルだ |
ハイブリッドという先端技術を売りにしている新型プリウスの対極にあるのが、新型アクセラである。「走る楽しさ」を全面に打ち出し、燃費は「停車している間のアイドリングを止める」というオーソドックスな方法で改善させようとしてきた。
東京都内のように信号待ちの多い道路環境だと、従来型のアクセラより10~20%程度燃費が良くなるから驚く。ちなみに都内の燃費(平均車速22km程度を想定)は新型プリウスの22km/L前後に対し、新型アクセラは12km/Lというイメージ。
流れの良い一般道では新型プリウス25km/Lに対し、アクセラ15km/Lを考えればよかろう。一方、数字で表しにくい「走る楽しさ」について言えば、アクセラも頑張っている。乗り心地がヨーロッパ車的なのだ。伝統的な「クルマの魅力」を持ってます。
2.0Lモデルに搭載されるアイドリングストップ機構「i-stop」のエンジン再始動時間は0.35秒。走る楽しさを損なうことなく、燃費の向上を可能としている |
さて。私は新型プリウスを高く評価した原稿を書く。その度に「新型アクセラのようなクルマを誉めないでどうする!」みたいな批判を頂く。こらもう価値観の差だと思う。私からすれば、プリウスの運転感覚もアクセラの運転感覚も楽しい。
このあたりは「どちらが良い」でなく「どちらを好むか」の問題。幸い両車共にディーラーの試乗車は豊富。両方のハンドルを握り、好みのクルマを選んだらいい。アクセラの1.5リッターモデルについちゃインプレッサも魅力的な対抗馬です。
新型アクセラの優位点は、ベルギー工場産のテネコ製ショックアブソーバーを使う足回りだと思う。フロントサスの取り付け部を見ると、ヨーロッパ車のような補強が入っている。違いの解る人なら、5分走っただけで乗り心地の上質感に魅了されるハズ。