セルシオのユーザー層には響くのか?
乗り心地だけでなく、静粛性、動力性能も文句なし。レクサスやセンチュリーを含むトヨタ車の中で、最も快適なクルマに仕上がっている |
エンジン+ミッションも素晴らしい! レクサスLS460と全く同じ4.6リッターのV8は猛烈なパワーと、驚くほどの静粛性を持つ。8速という世界最多のギアを持つATの繋がりだって文句なし。いつギアが変わったのか解らないほど。
リアシートの乗り心地を試してみたけれど、直進安定性が向上したためだろう。左右方向の不快なGは非常に少ない。上下方向の入力などもソフト。現在販売しているトヨタ車の中で(レクサスやセンチュリーを含む)最良の快適性を実現出来ている。
装備表を見ると610万円という価格はナビなどまで標準装備になっているからで、先代モデルと比べ値上げというワケじゃない。開発担当者に聞くと「けっこう頑張って付けた価格です」。なるほど物理的に評価すれば、大幅に改善されているし高くないようだ。
ナビだけでなく、レーダーを使った前方監視システムや緊急時の自動ブレーキ補助機能、側面衝突に備えるシステムも装備する |
じゃあ、魅力的か?と聞かれれば、答えに窮す。前回も紹介した通り、デザインや雰囲気が物足りない。特にトヨタが狙っているセルシオのユーザー層(レクサスに乗り換えるケースは少ないそうな)からすれば、ハッキリと車格不足である。
せっかくの本物のウッドを使っているインテリアも質感不足。ウッドを大量に使ったため、樹脂に見えてしまう。個人的には「ミニ・ロールスロイス」みたいなデザインにしたら大いに売れたと思う。当面苦戦するんじゃなかろうか。
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