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アクアに搭載のセーフティセンスCは納得できる性能?

トヨタの衝突回避支援パッケージである「Toyota Safety Sense」が、驚くことにフルモデルチェンジやマイナーチェンジだけでなく、変更規模の小さい年次改良でも選べるようになっている。その好例がベストセラーカーになったアクア。はたしてセーフティセンスCは納得できる性能なのか?そしてセーフティセンスPとの違いとは?

国沢 光宏

執筆者:国沢 光宏

車ガイド

セーフティセンスCとセーフティセンスPの違いとは?

一部改良で衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense C」が標準装備(「S」、「L」はオプション設定)となったアクア

一部改良で衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense C」が標準装備(「S」、「L」はオプション設定)となったアクア


トヨタは自動ブレーキを大半の車種で選択出来るようにすることを目標とし、準備出来た車種から搭載し始めたが、驚くことにフルモデルチェンジやマイナーチェンジだけでなく、変更規模の小さい年次改良で自動ブレーキを選べるようになったケースすら出てきた。好例が今や日本のベストセラーカーになったアクアである。

アクアは2014年12月にマイナーチェンジを行い、車体の溶接箇所を増やしたり、ロングドライブで燃費を伸ばせるクルーズコントロールなどを装備するようになった。当時のタイミングでは自動ブレーキの開発が間に合わなかったのだろう。2015年11月に突如『セーフティセンスC』という自動ブレーキが選べるようになった。

前方を監視するセンサーに安価な赤外線レーザー(最近は高価なミリ波レーダーと区別するため“ライダー”と呼ばれる)と単眼カメラを使うセーフティセンスCは、新型プリウスに採用されているミリ波レーダー+単眼カメラを組み合わせた上級車用の『セーフティセンスP』より簡易なシステム構成ながら納得出来る性能を持つ。

セーフティセンスCとセーフティセンスPの機能的な違いは

1)歩行者を認知出来るかどうか
2)先行車追随クルーズコントロールの有無

安価なライダーだと歩行者の検出を確実に出来ないし(高価なレーダーを使うPでも夜間は歩行者認識機能が稼働しない)、先行車との正確な車間距離を計れないのだった。ただ、自動ブレーキ機能は合格レベル。

アクアのカタログを見ると「車速30km/hまでなら停止中の車両を発見し、自動停止が出来る」と書いてあるが、『JNCAP』と呼ばれる公的な性能比較テストでは、結果の良くないヴィッツでも40km/hの試験で停車。50km/hから停車出来た車種もある(現時点ではシエンタとカローラアクシス)。従来のトヨタのシステムだと20km/hだったから立派だ。

将来、オプション代の5万4千円分は取り戻せると考えていい

今回の一部改良では特別仕様車X-URBAN“Solid”も設定された

今回の一部改良では特別仕様車X-URBAN“Solid”も設定された


また、セーフティセンスCは、自動ブレーキ機能の他、車線を逸脱しそうになると警報を出してくれる機能と、先行車が発進したことを教えてくれる機能も付く。アクアの自動ブレーキは最上級の『G』グレードなら標準装備。量販グレートなっている『S』と『L』も5万4千円で装備が可能。アクアを買うならぜひ装備を!

参考までに書いておくと、自動ブレーキは誤認識することがある。何も無い場所で衝突警告が出てしまうことも。現在の技術では誤認識を100%防ぐことは難しい。とは言えセーフティセンスCは今までトヨタやレクサスが使っていたミリ波レーダー単独式(10~15万円のオプション)よりも、はるかに誤認識をしなくなった。

また自動ブレーキは絶大な事故防止効果を持つ。自動停止性能こそ40~50km/hながら、自動ブレーキの稼働前のタイミングから警告してくれる。その時点でブレーキを踏めば余裕で止まれます。遠くない将来、任意保険の割引も始まるだろう。将来の下取り価格にまで影響を与える。5万4千円分は取り戻せると考えていい。

ここまで読んで「自動ブレーキを付けられないトヨタ車を考えているのだけれど、突如設定されるのか?」と思うことだろう。その通りです。ノア/ヴォクシーなど突如装着車が設定されるだろうし、クラウンやアルファードのように旧式のタイプも新しい世代となる。繰り返すが自動ブレーキの事故防止効果は絶大。少し待ってみることをすすめたい。

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