欧州車にも負けない
新シャーシとダンパーのおかげで乗り心地は良好。ハンドリング性能も高く、スバルらしい走りが楽しめる仕上がりになっている |
スペックとスタイル、価格を見ただけで「これは期待できそう!」という印象を受けた新型フォレスターに試乗した。早速紹介してみたい。まず売れ筋グレードと予想されているターボ無しエンジンの「2.0XS」から。
走り出すや驚いたのが乗り心地である。先代フォレスターの場合、ハンドリングこそ良かったものの、乗り心地は「普通の日本車」といったレベル。なのに新型フォレスターときたら、ヨーロッパ車と比較しても負けない高い質感を持つ。
「しなやかに足回りを動かす」というコンセプトで開発された新しいシャーシや、良質なショーワ製ショックアブソーバーの採用により、ハンドリングと乗り心地のバランスを高いレベルで両立出来ているのだ。
結果、不快な路面からの振動やフワフワ感をほとんど封じ込めることに成功。誰が乗っても「いいクルマですね!」という印象を与える乗り味になっている。
メイングレードの2.0XS。2リッターNAエンジンを搭載して価格は220万5000円(AT)。全長×全幅×全高4560×1780×1675mm。オプションを追加したプラチナセレクション、プラチナレザーセレクションという設定も用意する |
もちろん絶対的なコーナリング性能も良好。車高の高いSUVであるため基本的にロール大きめ。けれどハンドル操作に対し素直に反応し、ハイスピード領域ではキチンとした安定感を出している。しかも楽しい。スバル車はこうじゃなくちゃいけません。
ほぼ新開発のシリンダーヘッドを組み合わせたDOHCエンジンの完成度も高い。従来型のSOHCエンジンよりも2ランク上くらいのパワーと、優れた燃費性能を持つ。長距離ドライブでもオサイフの痛みは少ないだろう。
2.0XS「プラチナレザーセレクション」(260万9250円)のインテリア |
ところがフォレスターの4速ATはエンジン回転が100km/h巡航で2200回転前後と5速AT並に低い上、「巡航から緩やかに加速したい」といったケースにはギアを落とさず回転を上げるという機構(ロックアップの解除)を上手に使っており、平均的なCVTや5速ATよりも滑らかなくらい。4速ATでもここまで完成されていればコストや重量的なメリットを評価できる。
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