TOYOTA(トヨタ)/トヨタの車種情報・試乗レビュー

マークXジオが抱える2つの「不安」(2ページ目)

マークXジオは、50歳代中盤以上の世代をターゲットにしたこともあり、内外装の質感は高く、乗り心地も上質に仕上げている。一見、死角はないように見えるが、実は2つほど不安要素を抱えている。

国沢 光宏

執筆者:国沢 光宏

車ガイド

問題はスタイリングと……

走り
マークXジオ 2.4リッター直4&CVTの組み合わせは非常に滑らか。ハンドリングと乗り心地のバランスもいい

乗るとどうか? 1台目の試乗車は中級グレードとなる240FのFF車。最近のトヨタ車ではお馴染みの組み合わせとなっている2.4リッター4気筒エンジンとCVTは静かで非常に滑らか。

ハンドリングと乗り心地も本家のマークXクラスのセダンに負けないくらい高次元でバランスされている。ワインディングロードを相当速いペースで飛ばしても破綻は起きないし、オーバースピードでコーナーに入ってしまった場合や緊急回避時に絶大な効果を発揮するS-VSCも全グレードに標準装備されており非常に安心感は高い。

乗り心地も耐久性を重視した性格のダンパーを使いながらもサスペンション取り付け部の補強(ストラットアッパーにリング状の補強パーツが付いている)やダンパー自体の構造の変更に加え、タイヤが大人しい16インチということもあってなかなか上質なものとなっている。

インパネ
 
シート
2列目をキャプテンシートとしたGの内装。質感、使い勝手ともに高級セダンからの乗り換えでも違和感はないはず。3列目シートはあくまで非常用。写真のように普段はシートを格納しておくケースが多いはず

続いて3.5リッターV6エンジン搭載の350G(FF車のみの設定)にも乗ってみた。こちらは約1.8トンあるエスティマを軽々と走らせるパワーの持ち主だけあって、100kg以上軽いマークXジオをスポーツカーのように加速させる。もちろん、2.4リッターに比べると静粛性やクルージング時のゆとりも一枚上手。乗り心地は18インチタイヤを履くためややゴツゴツした感じとなるが、許容範囲内の硬さ。

ここまでレポートを読んでいただくと、マークXジオのハードウェアにほとんど弱点がないことを解っていただけると思う。しかし、2点ほど不安要素も。

1つ目はスタイリング。「どこが悪い」というよりも全体的なバランスが悪いのか、「どうも受け入れにくい」との意見をよく聞く。 2つ目は世の中の流れなのか、オデッセイを代表とする背がそれほど高くない3ナンバーサイズのミニバン市場が縮小しているという点。

この2つの不安要素をトヨタがどう克服していくか? 大いに楽しみであります。

【問い合わせ先】
トヨタ マークXジオ公式サイト
トヨタ自動車 お客様相談センター TEL0800-700-7700 
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