問題はスタイリングと……
マークXジオ 2.4リッター直4&CVTの組み合わせは非常に滑らか。ハンドリングと乗り心地のバランスもいい |
乗るとどうか? 1台目の試乗車は中級グレードとなる240FのFF車。最近のトヨタ車ではお馴染みの組み合わせとなっている2.4リッター4気筒エンジンとCVTは静かで非常に滑らか。
ハンドリングと乗り心地も本家のマークXクラスのセダンに負けないくらい高次元でバランスされている。ワインディングロードを相当速いペースで飛ばしても破綻は起きないし、オーバースピードでコーナーに入ってしまった場合や緊急回避時に絶大な効果を発揮するS-VSCも全グレードに標準装備されており非常に安心感は高い。
乗り心地も耐久性を重視した性格のダンパーを使いながらもサスペンション取り付け部の補強(ストラットアッパーにリング状の補強パーツが付いている)やダンパー自体の構造の変更に加え、タイヤが大人しい16インチということもあってなかなか上質なものとなっている。
2列目をキャプテンシートとしたGの内装。質感、使い勝手ともに高級セダンからの乗り換えでも違和感はないはず。3列目シートはあくまで非常用。写真のように普段はシートを格納しておくケースが多いはず |
続いて3.5リッターV6エンジン搭載の350G(FF車のみの設定)にも乗ってみた。こちらは約1.8トンあるエスティマを軽々と走らせるパワーの持ち主だけあって、100kg以上軽いマークXジオをスポーツカーのように加速させる。もちろん、2.4リッターに比べると静粛性やクルージング時のゆとりも一枚上手。乗り心地は18インチタイヤを履くためややゴツゴツした感じとなるが、許容範囲内の硬さ。
ここまでレポートを読んでいただくと、マークXジオのハードウェアにほとんど弱点がないことを解っていただけると思う。しかし、2点ほど不安要素も。
1つ目はスタイリング。「どこが悪い」というよりも全体的なバランスが悪いのか、「どうも受け入れにくい」との意見をよく聞く。 2つ目は世の中の流れなのか、オデッセイを代表とする背がそれほど高くない3ナンバーサイズのミニバン市場が縮小しているという点。
この2つの不安要素をトヨタがどう克服していくか? 大いに楽しみであります。
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