3リットル並みの動力性能で燃費は2リットルクラス

先代エスティマ・ハイブリッドは、初代プリウスと同等の技術レベルだった。パワーの無いモーターをカバーするため、ガソリンエンジン車と同じCVT(金属ベルトを使う変速機)まで使用しなければならなかったほど。ハイブリッッド技術の進化たるや文字通り日進月歩。今や大パワーのモーターだって問題なく使える。それなら高い次元で実用燃費と動力性能を両立させましょう、となった次第。

システムはプリウスやハリアーハイブリッドと同じ、変速機無しのTHS-2で前輪を駆動。150馬力の2,4リッター4気筒アトキンソンサイクルエンジンと組み合わされるモーター出力は、なんと143馬力! 後輪用も68馬力と強力になった。もはやモーター出力だけで合計211馬力(従来型は合計42馬力)と圧倒的にパワフル。後輪用モーターは前輪のスリップを感知した場合、全速度域で稼働。スリップ無いならスタート時から時速25kmまでアシストしてくれるとのこと。

バッテリーは従来型はリアシートの下に搭載したため、ガソリンエンジン車よりキャビンスペースが狭くなるという弱点を持っていた。新型の開発にあたり「何とかならないのか?」。熟慮の末、運転席と助手席の間のスペースに決めたという。左右のウォークスルーは出来なくなってしまったけれど、良い意味での”囲まれ感”が出て個人的に「これまたいいかな」と。

動力性能は先代モデルに乗ると「まぁECOカーなんだからこんなものかな」みたいなレベル。遅さこそ感じさせなかったが、楽しく走れるようなクルマじゃなかった。新型に乗ってびっくり! 聞けば0~100km加速タイムは、スポーティかどうかの境目になっている「10秒」をホンの少し超える程度。追い越し加速もガソリンエンジン積むエスティマの2,4リッターと3,5リッターの中間くらいのタイム。エンジン音は軽快で、もはやストレスフリーとなった。

足回りは優れたハンドリングで高い評価を得ている現行エスティマと基本的に同じ。道路の継ぎ目や、荒れた路面を通過した時に入ってくる大きめの入力でドシンバタンするの除けば、100点を付けても良いほどの仕上がりである。ロングドライブだって全く苦にならないだろう。完全に電子制御されているブレーキの利き&ペダルタッチは全く違和感無い。

燃費は従来型の10・15モード燃費18km/Lに対し20km/Lと、カタログスペックで10%向上している。限られた試乗時間ながら燃費チェックをすると、数字以上に良くなっている感じ。街中で乗ると従来型は頑張って12km/Lだったのに、新型なら普通に乗って12km/Lくらい走ってしまう。あまり条件良いと言えない高低差のあるダム湖の回りの道を一周して燃費計測したら、22,2km/Lも走りました。

500万円くらいの予算で買うクルマとしてはベストかもしれない。広い室内と、質感のある走行フィールを持ちながら、2リッタークラスのミニバンと同じくらいしかガソリンを喰わないのだから。興味ある人はぜひ試乗してみることをすすめておきます。
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