トゥアレグハイブリッドと同じ構造

フロントマスク

カイエンSとカイエンSハイブリッドの違いは、フロントフェンダーにあるハイブリッドのロゴ以外、ほとんどない。ボディサイズは 全長4845×全幅1940×全高1710mm。価格は1092万円で、左と右ハンドルともに同じ


カイエンシリーズに追加されたハイブリッドモデル、「カイエンSハイブリッド」。ガソリン仕様と同じアイドリングストップや回生ブレーキの採用など、フォルクスワーゲン・トゥアレグと基本構造は同じだ。まずは最も気になるハイブリッドならではの特徴について印象を紹介しよう。

トゥアレグハイブリッドと同様にモーターのみでの走行も可能だが、EV走行の実用性はそれほど高くない。低速域であればモーターのみで走ることもできるが、アクセルを少し踏み込むと、すぐにエンジンが始動してしまう。バッテリー容量もプリウスなどのフルハイブリッドと比べると大きくは感じない。バッテリー残量が少ないと、EVモードのボタンを押しても、「EVモード フカ」というアラートがメーターに表示される。ただし、寝静まった住宅街をスルスルと走る程度であれば、EV走行も使えるだろう。

走りはポルシェらしさ満開

リヤビュー

アイドリングストップに入る瞬間やEVモードから走り出してからのエンジン始動時の音、振動はかなり抑えられている。エンジン音そのものも普通に流す分には少しもの足らなく思えるほどジェントルだ。全幅は1940mmとワイドだが、可動量の大きなシートリフターで調整すれば取り回しもサイズほど苦に感じない


スーパーチャージャーで加給された、3.0LのV6エンジンに、8速ティプトロニックSを組み合わせる。47psのモーターによるパラレルハイブリッドを採用するものの、冒頭で述べたようにEV走行は補助的といった程度だ。しかし、380psに到達するシステム全体の最高出力や、1000rpmで580Nmの最大トルクを発揮する分厚いトルクにより、踏み込めば「カイエン」に相応しい加速感を十二分に堪能できる。400psのカイエンSと比較すると20psの差があるが、実用域ではその差はほとんど感じられない。さすがに、500psを誇るカイエンターボの加速感とは大きな開きがあるが、高速道路で飛ばす分にはカイエンSハイブリッドで十分。また、エンジンの始動がスムーズなのも印象的で、音・振動ともに非常によく抑えられている。さらに、150km/h以下で作動するセーリングモード、つまり滑走モードの切り替わりも気づくことは難しいだろう。

トゥアレグハイブリッドとのシステム上の差はないが、カイエンSハイブリッドの良さはガソリンモデル同様に、いい意味での軽快感にあふれている点。パワステ自体も軽く感じる上、ノーズやボディ全体も軽く、重厚さを感じさせるトゥアレグハイブリッドとは大きく異なる印象だ。さらに、インパネにあるスポーツモードを押せば、レスポンスがさらに高まり軽快に加速していくのも大きな魅力。通常モードのままでもキックダウンさせればブーストモードになり、ストレスフリーの加速を披露してくれる。また、強烈過ぎる効きのブレーキも大きな特徴だ。

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