SUZUKI(スズキ)/スズキ

2代目は「少し元気なコンパクトカー」レベル? 新型スイフトスポーツのデキは?

新型スイフトスポーツに対する期待値は驚くほど高い! 「さぞ凄いクルマになるんじゃないか?」と皆さん持っていることだろう。だが、実際に試乗してみると…

国沢 光宏

執筆者:国沢 光宏

車ガイド

今のままだと「期待してたよりワクワクしない」かも…

新型スイフトスポーツに対する期待値は驚くほど高い! 確かに現行スイフトの仕上がりが良く、加えて雑誌も大いに盛り上げるモノだから「さぞ凄いクルマになるんじゃないか?」と皆さん持っていることだろう。

マフラーも2本出しにして頑張ってはいるのだが、排気音が大きいだけ
しかし! 冷静に考えて欲しい。先代のスイフトスポーツは安価だから魅力的だったのであり、内容を見ると「少し元気なコンパクトカー」といったイメージ。サッカーに例えるなら中学生レベル。大人とガチンコで戦える体力や技術は持っていなかった。一方、新型スイフトに対する期待値ときたら、バリバリのJリーガー級。シビックのタイプRやインプレッサのSTIバージョンと同等の期待値を持っていると思う。

そんなイメージで新型スイフトスポーツに乗ると「ややや! トンがって無いじゃないの!」と感じるハズ。エンジンは1.5リッターをそのまま排気量アップしたようなフィーリングだし、ハンドリングもシャープというよりGTカー的。高回転型エンジン+キビキビ曲がってくれるヤンチャなコンパクトスポーツでなく、質感を追求した大人のクルマなのである。

最近の自動車雑誌はデビュー直後のクルマに極めて甘いため、次号の評価を見るとベタ誉め確実。されど現実は厳しい。このままでは2~3ヶ月したらクルマ好きが興味を示さなくなってしまい、結果ほとんど露出しなくなるかと。サーキットを走っても、それほどタイム出ないだろう。

専用の1.6リットルエンジンを搭載している。乗りやすいエンジンだが、キレはいまひとつ
じゃスイフトスポーツってつまらないクルマなのか? 私は「違う」と言っておく。スズキというメーカー、こういった趣味性の高いクルマを作った経験を持たない。例えばエンジン音なら「小さい方が良い」。クルマ好きのツボが解らないのだ。したがってスズキ側も努力を必要とする。このままだと間違いなく「期待してたよりワクワクしない」という評価になってしまう。一日でも早くスイフトスポーツのチューンナップメニューを作り上げるべき。具体的には排気系。こいつを騒音規制をクリア出来る上限まで許容してやれば、それだけで気持ちよいエンジンになるハズ。マーチ12SRなんか良い音出してますから。

足回りはブッシュとエンジンマウントを固めるだけでガラリとイメージが変わるに違いない。現状では柔らかいブッシュとマウントに、良質のダンパー(欧州工場製のテネコ)を組み合わせているため、優等生になってしまった。つまり全体的に「ワイルドさ」を出してやれば良いだけ。逆にスイフトスポーツを買って「もっと元気なクルマにしたい!」と感じたなら、ぜひともJWRC車を開発している『スズキスポーツ』から出るパーツを組み込んで欲しい。ベースモデルがいいため、手を加えれば加えるほど楽しいクルマに仕上がることだろう。エクステリアもラリーカー風にすれば文句なし! 久々に遊べるクルマだと思う。

関連サイト
旧型スイフトスポーツはこんなクルマだった
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