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新型マーチデビュー!

新型マーチがデビュー後一週間で2万5千台を受注した。あのフィットでさえ10日間で2万3千台というペース。果たして実力はいかに?

国沢 光宏

執筆者:国沢 光宏

車ガイド


新型マーチの売れ行きが絶好調である! 発売後一週間の受注台数は2万5千台に達しており、発売後10日間で2万3千台受注したフィットを超えるペース。果たして素晴らしいクルマなのだろうか? 結論から先に書いてしまうと「欲しいなら止めないけれど、現段階ではクルマが解る人だと不満多い」といった評価になると思う。良い点と、不満ある点をつらつら並べてみたい。

良い点は「基本的なスペックをキッチリと押さえてある」ということ。新型マーチを開発するに当たり、日産はコンパクトカートップクラスの衝突安全性やスペックを持たせようと頑張った。新型マーチの車体構造は、ルノー(仏)との共同開発となる。あまり知られていないことながらルノーは衝突安全性についちゃ世界トップクラスの実力を持つ。J-NCAP(国交省の外郭団体による公開テスト)に代表される衝突試験が出るまで確実なことは言えないものの、大いに期待していい。このクラスで唯一カーテン式サイドエアバッグを設定(最上級モデル以外オプションとなる)しているあたりを見れば気合い入り具合が解ります。

環境にもやさしい。排気ガスのクリーン度を示す☆印は、全モデル最上級の☆三つ(超-低排出ガス基準)。交通量の多い地域なら、排気ガスは大気よりクリーン。汚染された大気を吸っても、ガソリンと一緒に燃やしてしまうのだ。空気清浄機みたいなもの。それでいて価格設定はトヨタの人気コンパクトカーであるヴィッツより安い。ヴィッツの1000cc(F Dパッケージで108万5千円)とマーチの1200cc(12cが109万5千円)が1万円しか違わない。普通、200cc違えば10万円くらい高くなることを考えると、明らかにヴィッツよりお買い得。

不満は? クルマの味を理解できるドライバーだと、振動が気になるんじゃなかろうか。ATをDレンジに入れた時から、ハンドルやペダル回りにエンジン振動出る。高速巡航でもアクセルやフットレスト、ハンドルの振動は無くならない。さらにエンジンから出る振動を少しでも少なくしようと、エンジンと車体に取り付けるゴム(エンジンマウントと呼ばれる。柔らかくすると振動減る)で対策したんだと思う。結果、道路の継ぎ目など通ると、車体全体がぶるぶる震えてしまう。

ソフトなサスペンションの割に、路面のデコボコを車体に伝えるのも不満。ロードノイズまで大きいことから推定すると、タイヤが硬すぎるのだろう。全般的に賑やかで振動大きい傾向。また、ヴィッツと比べればリーズナブルな価格ながら、このクラスの売れ行きNo1車であるフィットより割高である。フィットはマーチより格段に広いリアシートや(フィットのリアシートなら成人男性が快適に座れる)シャッキリしたサスペンションのボディに1300ccを搭載し、5万円高。いや、買うとなればマーチの値引き5万円に対しフィット10万円だから同じになってしまう。

といったあたりを理解した上でマーチを選ぶなら、安全で環境にやさしいコンパクトカーだと思います。
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