インプレッサのようなスポーツモデルで大切なのは「その気になれば速い!」ということ。もちろんユーザーがフルに実力を発揮する機会など無くてもいい。だからこそフェラーリやポルシェも、毎年のように改良を加えているのだ。といった観点で現行インプレッサを見ると、明らかに唯一無二のライバルである三菱ランサーエボリューションに負けている。スバルの開発陣は相当悔しかったらしく、早くも大きな改良を加えてきた。



簡単に説明すれば「90?軽量化した」となるのだけれど、細かく聞いてみたらメチャクチャ気合い入っているじゃないの! エンジンはバルブタイミング変更や、吸気系の抵抗低減、ターボの軸受けをボールベアリングとし、ミッションオイルクーラー追加。サスペンションも加速時の沈み込み防止のためリンクの取り付け位置を変更。軽量化はトランクリッドの鉄板を薄くすることまでやっている。シートのフレームまで軽くしているのだ。

乗るとどうか? 試乗会は『ツインリンクもてぎ』で行われた。まずサーキット風の走り方(グリップ走行)をしてみたら、明らかに従来型より速い! さすが90?の軽量化と、エンジンのトルクアップが絶大なる効果を発揮している。おそらくランサーエボリューションより速いタイムを出すだろう。ただ面白いかとなれば「まぁまぁ」です。やはり前後駆動配分固定の4WDだから(17インチ仕様)、限界近づくとアンダーステア傾向。

それじゃ、ということで2回目の走行はWRCのターマックステージのようなヤンチャな走り方をしてみる。すなわちコーナーの進入で加重移動させ、クリッピングポイントはもう真横向いた状態で通過するスタイルです。するとどうだ! めちゃくちゃ面白い! 嬉しいのがコーナー入ってからも自由自在にコントロール出来ること。アンダーやオーバーステア出した状態でハンドルが効くのだ。WRCの映像を思い出して欲しい。

コーナーで横を向きながらも、細かく前輪は左右にステアしている。流れた状態で微妙に姿勢をコントロールしているワケ。フロントが重い普通のWRXの場合ハンドル切っても反応鈍く、安定しているけれど面白くない。また、エンジンのレスポンスが良くなったため、パワーで滑る量もコントロール可能。つまり「スペックCならコーナーに横向いた状態で飛び込み、そこから意のままにパワードリフトを堪能出来る」ワケ。

残念なのは皆さんにこの味を伝えきれないこと。隣に乗せてあげることさえ出来るなら、3秒以上続く3速全開のゼロカウンター(ハンドル切らない状態でのドリフト)を堪能させてあげられるのに。そうそう。今回新開発されたブリヂストンの左右非対称タイヤも素晴らしい! 強力なグリップを持ちつつ、流れた時もコントローラブルなのだ。295万3千円で極上の走りが楽しめるのだからリーズナブルだと思う。
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