売れなくてもいい、と思って作ったそうな。これ自体、凄い余裕。クルマを1車種立ち上げるのに巨額の開発予算が必要。このくらい気軽に作れればユーザーのチョイスが増えて素晴らしい。
VSのターゲットユーザーは『都会的で洗練された若い独身男性』(団塊ジュニアと言われる層。1971~74年生まれが中心とのこと)だそうな。Viが『リラックス』のイメージだったのに対し、今回は『クール』をイメージしているとか。
となると問題になってくるのが恐竜戦車みたいなスタイル。デザインを担当した星氏によると「コクピットには航空機のステルスをイメージして、エクステリアにはステルス潜航艇(実在しない)をイメージしました」。う~ん。ステルス戦闘機(この場合、F117だと思われる)って「レーダーに映りにくい」という機能持たすため特殊なカッコをしているのであって、スタイル重視のデザインではない。
女の子がシンデレラの憧れるのと同じで、男の子はメカ物を好む、という判断なのだろうか?個人的な意見ながら「犬は犬の美しさがあるように、クルマにはクルマの美しさというのがあって、ステルスやシンデレラに対する憧れと違うんじゃないか」と考える。とは言えメカ物を好む男の子多いらしく、すでに「カッコいいと思う!」という声を聞く。
クルマ自体はカローラをベースとしているので、機能的に特筆すべき点はなさそう。しかし動力性能は相当期待していいんじゃなかろうか。こういったクルマで普通の動力性能しか持たないんだとガッカリする。開発陣もそのあたりはしっかり判っているらしく、排気量の大きなエンジンを組み合わせてきた。
なかでも1190?のボディに1800?190馬力エンジンを搭載するモデルなどは活発に走るだろう。マニュアルミッションの設定がないけれど、前述の通り想定ユーザー層は「クルマ好き」でなく「メカ物好き」。マニュアルにこだわることもない。
注目したいのがハンドリングの進化度合い。1800?エンジン積むカローラ兄弟のトップバッターである『フィールダー』は、エンジンに足回りが負けていた。ランクス/アレックスの世代になると若干開発が進んだためだろう。グッとマイルドになっている。VSはさらに熟成する時間があったので、スポーティなエクステリアに負けないハンドリングとなっていると思う。試乗が楽しみだ。
<関連サイト>
WiLL-VS.com