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色にちなんだタイトルの恋愛映画&小説 色が語るラブストーリー(5ページ目)

【2/25:情報追加!】色のタイトルがついた恋愛映画と小説をご紹介します。色が象徴する愛の物語とは。そこにはどんな愛が描かれているのでしょうか。

執筆者:細谷 美千代



[トリコロール 青の愛 (BLUE)]

クシシュトフ・キェシロフスキ監督の遺作となった、「トリコロール」三部作のうちの第一作目。「トリコロール」とは3色のフランス国旗、またはその3色配色を指します。 「トリコロール」三部作それぞれに与えられた色が、各作品の中で象徴的に使われています。

フランス国旗の「青」=「自由」をテーマに描いた愛の物語。この作品の主題は、「愛の呪縛からの自由 」。

事故で最愛の家族を亡くし、失意と落胆の人生を必死にこらえながら毎日をやり過ごす健気な女性。愛と裏切り、愛と信頼。記憶は簡単には消せないし、傷はすぐには癒えないけれども、周囲の人々の思いやりや自分自身が本来持っている愛情に気づきながら、少しずつ再生していく。

全編に流れる印象的なブルーは「悲しみのブルー」を表しています。子どもの形見の青いガラス細工。青いプールでの涙。死んだ後にも彼女を傷つけることになる夫の青いファイル。しかし、それは徐々に透き通った「浄化と再生のブルー」に変化していき、悲しみの深い海ではなく、いつしか希望の青い空の高みへ彼女を引き上げていくであろう、そう思わせる結末です。

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