高金利が魅力だが、利用条件には注意
退職金専用定期は窓口のみ取り扱いというケースも
退職金を対象とする定期預金ですから、利用者を退職者に限定し(配偶者もOKという場合も)、次のような利用条件を設定している金融機関が多いようです。
●退職金の受け取りから6カ月~1年以内の人
●対象の定期預金の多くはスーパー定期○○カ月もの
●初回の預入期間のみ高金利。満期後は自動継続(元本継続・元利継続いずれかを選択)でその時点の店頭表示金利を適用
●申込時に「退職所得の源泉徴収票」など退職金受取金額を確認できる書類(写)を提示
●窓口での取り扱い
年齢や預入最低金額、利用回数、自動継続など、利用条件や商品内容は金融機関によって異なります。期間限定という金融機関もありますので、預金直前に商品内容を細かくチェックする必要があります。
退職金専用定期の利息は定期預金の約25倍
「退職金専用定期」の商品案内で真っ先に目に飛び込んでくるのが、びっくりするような高い金利。「とってもお得!」という印象を受けます。例えば長野信用金庫の「しんきん退職金金利上乗せ定期預金」の金利は年2.4%。その預入条件は次のとおりです。
預入金額:100万円以上退職金額まで
預入期間:3カ月
対象者:55歳以上65歳までの、退職金を受け取ってから6カ月以内の人
満期後の取り扱い:自動継続。その時点の店頭表示金利を適用する。
高金利は当初3カ月間だけです。これってホントにお得な預金商品なのでしょうか。
退職金500万円を「しんきん退職金金利上乗せ定期預金」を利用して1年間運用した場合と、スーパー定期300(1年物)で1年間運用した場合の税引き前の受取利息を比較してみましょう(なお、2015年4月13日の定期預金金利は3カ月物・1年物ともに0.025%。3カ月=92日とする)。
●退職金専用定期
当初3カ月の受取利息(税引き前):500万円×2.4%×92日÷365日=3万246円
満期後9カ月を3カ月定期預金で自動継続(税引き前):500万円×0.025%×273日÷365日=934円
⇒1年間の利息合計(税引き前):3万246円+934円=3万1180円
*元本継続とする。元利継続も選択可能。
●スーパー定期300(1年物)
⇒1年間の利息(税引き前):500万円×0.025%=1250円
「退職金専用定期」プランを利用して1年間運用すると、「スーパー定期300(1年物)」で運用した場合の約25倍の利息を受け取ることができます。恐るべし退職金専用定期!です。
金利1.5%以上の金利を提示している金融機関は次ページでご紹介します。