子供の英語教育/子供英語関連情報

幼児はどうやってバイリンガルになるのか?(2ページ目)

人種のサラダボールと言われるNYの幼稚園での言葉(英語)の教育から、日本の子どもたちに応用できる幼児英語教育のエッセンス。

清水 万里子

清水 万里子

子供英語 ガイド

現在、岡崎女子大学准教授(子ども教育学部子ども教育学科)。児童英語講師、指導歴39年。教育学修士(岐阜大学)。中日新聞「中日こどもウイークリー」英語学習面執筆、学校訪問記事担当(11年間)。2013年4月~2023年3月まで岐阜県可児市「小学校英語コミュニケーション事業」アドバイザー。

...続きを読む

年長さんクラスの英語教育エッセンス


年長さんクラスのことを英語でKinder(キンダー)と呼んでいます。このクラスの担任はマリア先生。キューバ出身のバイリンガルの先生です。エネルギッシュな先生で子どもたちに愛情を注いで教育しています。彼女はレッジョ・エミリア・アプローチのコーディネーターで、教室のデコレーションにはレッジョの雰囲気が漂っていました。

ジョブチャートと呼ばれる紙が貼ってありました。ここに子どもたちのお仕事が書かれています。それぞれの子どもが責任をもってその仕事を務めていました。

kinder1
子どもたちに責任ある仕事を与えています。先生のお手伝いの役になると、事務室へ言伝を頼まれたり書類を持ってくるよう頼まれます。どの仕事にもプライドを持って取り組むようにとマリア先生は子どもたちに語りかけていました。


見学した日は、子どもたちが算数の勉強をしていました。何度も言いますが、年長さんクラスです。単語のカードをカテゴリ別にそろえて袋に入れるという行為で覚えていくのでしょう。言葉に対して敏感になるでしょうね。
kinder2
この写真は算数に関する言葉のカードです。三線紙にきちんと書かれています。


kinder6
まずは算数的な概念を学んでいるのだと思います。


このカード並べが面白かったです。縦2列、flyするもの、runするものと分けてあり、自分がそうだと思ったほうにカードを置いていくという活動です。鳥に関しての学習がずっと行われていました。

kinder3
自分の思いどおりに絵カードを置いていきます。わからなかったり、迷ったりしたら先生のところに行ってヒントをもらいます。自分で考えることが大事。


社会科の学習として、家や住所を学んでいました。実際に外に出かけていくこともあるそうです。レッジョ・エミリア・アプローチは実際の社会との連携を大切にしています。子どもたちにとってもスクールの外に出かける活動は楽しいですね。
kinder4
活動のあとには成果物ができます。それをきれいに飾って、いつでも見られ、思い出すことができます。


言葉もきれいに教えたいもの。鳥に関する絵本がたくさん置いてありました。いろいろな情報を集める先生もすごいですね。
kinder5
教室の隅にある読書コーナー。読み聞かせも行っています。


次に私が感心したキンダークラス、マリア先生の授業のことを紹介します。

>>次のページ。レッジョ・エミリア・アプローチで考える活動>>

あわせて読みたい