海外子女は慣れない海外生活に一生けんめい適応しようとしている子どもたち。彼らが帰国すると帰国子女と呼ばれる。 |
帰国子女を一言で表現することは大変難しいことです。それぞれの生き方がありますから一方的な見方はできないと思います。子どもの視点で、異文化の中で生活する良さ、難しさの両方を経験しているということはとても価値のあることでしょう。テーマがとても深い内容になってきますので、記事も何回かに分けたいと思います。今回は一般的なイメージに絞ります。
帰国子女と呼ばれる人たちのエピソードです。
たった半年でも帰国子女
現在20歳の人の話です。
小学生の時、お父さんの海外赴任で家族全員(父、母、子ども二人)がアメリカ、シアトルに行くことになりました。日本人学校は自宅から車で1時間ほどの距離にあったのですが、長時間の通学は子どもに負担をかけることになるので、近所にある現地の公立小学校に通うことにしました。日本語やその他の科目学習も毎週土曜日に日本語補習授業校で学びます。子どもたちにとって現地校は楽しく過ごせたようです。
半年後、急に帰国することに
数ヶ月の滞在でも帰国子女と呼ばれると、英語ができるというイメージがつきまとう。もし、英語圏じゃなかったら? |
ところが、会社の都合で急に日本に戻ることになりました。日本に戻ると、二人の子どもたちはもともと通っていた公立小学校に通いはじめました。半年アメリカで過ごしただけですが、帰国子女ですね。すると周囲から英語が話せると思われていたようです。でも過ごしたのは半年。英語は聞けるようになった程度で話せなかったそうです。
周囲から自分が帰国子女だと言われて、「たしかに帰国子女なんだけどね。」と笑って話してくれました。英語が話せるというイメージの強さにびっくりしたと仰っていました。