試験の成績を上げるための勉強を強いる教師
テストのために短期記憶に残すなら教師主導型で進めて一気に暗記させるほうが効率的。しかし、それが本当の学びになることはない。小学校では体験的に学ぶほうが価値があると言える。 |
アメリカの教師にとっては相当苦しいかもしれません。自分の担当した子供の成績が落ちたら、指導力なしとみなされて即解雇なんてこともありますから。
成績を上げるために、単純に学習時間数を増加させるとなると限られた学校での学習時間のうち、どこを削るのかという問題が浮上します。国語、算数に時間をとるとなると、その他の科目、たとえば、理科、社会の時間が減らされたりします。そうすると、国語、算数の能力は伸びる一方、理科、社会の能力は下がる危険性もあるわけです。
どうしたら本当に成績が伸びるのか
しかし、いくら学習時間数を増やしたからといって必ずしも成績向上につながるというわけではないでしょう。どうすれば、子供たちの学力が向上していくのか……。
NYの小学校教師が書いた「あたりまえだけど、とても大切なこと」という本に、その答えがある気がします。このベストセラーになった本には、児童期の教育で大切にされているのは、礼儀作法のルール。これを徹底的に子供たちに指導した結果、子供たちの成績がグングン伸びていったそうです。
似たような例も日本にありますね。陰山英男著「本当の学力をつける本」には、読み・書き・計算の指導と、朝ごはんをしっかり食べる、早寝・早起きの習慣などが学力向上の基本であると書かれています。
NCLB法制定には全米の大手企業も支援しています。社会に出た時に役に立つ人材をもっと確保したい意図もあり、長期的な改革を望んでいるようです。いろいろな問題は抱えていますが、No Child Left Behindというスローガンがどこまで機能するか、学校教育現場の責任は大きいです。
スローガンを掲げて取り組まれている教育改革ですが、Center for the Study of Teaching and Policyによる調査(2004)によると、未だアメリカの数学のレベル(中2段階)は調査した20先進国中19位。NCLBを掲げた以上、アメリカの焦りも相当あるでしょうね。(ちなみに日本は5位、イギリスが20位)
関連サイト:
U.S.Department of Education児童英語教師のための情報サイト
うたで覚える英語
「子供がネイティブ講師に習うメリットとは」
「ノーラさん語る、帰国子女には日本は異国?」