■5年生は簡単な日本語で話せる!
訪問したときはクラスで「日本語かべ新聞」を作っているところでした。右から左へ縦書きに自己紹介の文章を書き、その手紙をB紙に張って廊下のカベに貼るという授業。それがどの子も結構うまく書いているんです。日本人の子供も混じっていて、子供から子供へ上手に手助けをしあっていました。田中先生は「子供は子供から学ぶんですよ。これが一番良い方法ですよね。」とおっしゃっていました。
机で自己紹介文を書いている子供たちに日本語で話しかけると、すべて日本語で答えが返ってきました。私の言ったことばを全て理解しているようです。スラスラ話せるというわけではありませんが、理解して、返事を片言の日本語で言おうとする子供たちでした。ちなみに英語で聞いてみると英語で答えが返ってきます。子供の一人は「あなたの言っていることはだいたいわかるけど、日本語で言うのはまだ難しいの。」と言っていました。一人一人の能力の差はあるでしょうが、平均して日本語レベルの高さを感じました。
JBBP West小学校では聞く、話す、読む、書くをすべてバランスよく教えています。それはなぜでしょうか。田中先生に尋ねると、「子供たちはいろんな得意な点があります。ある子は書くのが得意だったり、またある子は話すことが好きだったりします。どこを切り口にして学習を進めることができるかが教師の腕の見せ所ではないかしらね。」
■児童英語教師として勉強になった!
さて、児童英語教師としての私はもう1つ気になったことがあります。それは担任の教師による国語授業です。そう、英語教育です。どうやってアプローチしているのかな?授業を拝見させていただきました。
「うわっ、この先生、テクニックうまい!」
1年生のクラスを見ていると、読みや音をうまく組み合わせ、子供たちの興味を引くように展開していました。「日本に帰ったら、私の授業でも使いたい!」と思った授業でした。
今回の訪問は一日だけでしたが、私にとって貴重な体験となりました。今後もこちらの小学校とは交流し続けて行く予定です。
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<編集後記>
私は12年前に米国ワシントン州の小さな町の小学校で日本語教師として働いたことがあります。初めてされた質問は「ねぇ、マリーコの国は車で何時間かかるのぉ~?」でした。ひっくり返りましたよ。知らないのか?日本を?そして「車は無理だね~、空飛ばないから。」って答えたような記憶があります。で、まず日本という国の存在から子供たちに教えました。
でも、下手でしたね~、私の教え方。今から行ってもう一度やりなおしたいくらい。本当に思いつきで授業をしていました。毎日必死でドタバタ状態。カリキュラムもなしで、言語習得なんてまったく考えていませんでした。本当に恥ずかしいお粗末な授業ばかりだったと思います。
JBBP West小学校には4人のベテラン教師が日本語指導をしています。統一したカリキュラムがあるので6年間の日本語学習の成果が目に見えて現れるのだと思いました。学校という場所は学ぶところです。日本でもやはり成果の上がる小学校英語教育を目指したいですね。