<アメリカの小学校日本語教育>

今年5月「アメリカに日本語と英語のバイリンガル小学校があるよ。」とサンフランシスコに住む友人から聞きました。「へぇー、アメリカに?」と私。「それもかなり本格的らしいよ。」「一度行ってみたいなぁ。日本の小学校英語教育の逆パターンだわ。」そして9月、訪問許可をもらって学校へ・・・。

「う~ん、すごい!毎日やればここまで上達するのね。日本語ってかなり難しいのに漢字も書いてる。子供たちの言語習得能力はすごいわ!」

これは私が9月にアメリカ公立小学校を訪問した感想です。そして最高学年、5年生の子供たちの日本語運用能力が高いことにも驚きでした。言語教育はやればやっただけ成果が出てくるのだと心底思いました。今回の記事では私が上記の感想をもったいきさつをお話しますね。

ページ1 JBBPの全体的な様子
ページ2 日本語学習カリキュラム
ページ3 児童英語教師として学ぶ

サンフランシスコの公立小学校、JBBP(Japanese Bilingual Bicultural Program)Westに一歩入ると、掲示物はすべて日本語と英語。スタッフにも日本人が大勢います。私を案内してくれたのはLanguage Coordinatorの田中先生。彼女は教育学博士です。

■サンフランシスコの日本語教育

サンフランシスコの日本語学習文化プログラムは1973年に始まり、30年の歴史があります。なぜこのようなプログラムがスタートしたのでしょうか。そもそもアメリカは移民で成り立ってきた国ですから、当然さまざまな人種がいます。そして日本からの移民も多くいたわけで、日系アメリカ人も増えていきました。サンフランシスコのベイエリアにジャパンタウンができてからは多文化社会で生きていく日系アメリカ人としての教養や民族的な自覚と自信、多文化への適応能力を育成するための手段としてプログラムが生まれました。今日では日本語学習、文化学習を通した多文化教育として小学校における全人教育の1つとなっています。

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■毎日続けることで徐々に成果が!

JBBP West小学校では毎日1時間の日本語学習があり、日本人ネイティブ講師と担任教師が指導。幼稚園~5年生までの6年間統一したカリキュラムや教科書があります。日本人の先生方はそのカリキュラムに沿って日本語で日本語を指導しています。担任の先生の中には英日バイリンガル教師もいます。

公立小学校ですから、カリフォルニア州、サンフランシスコ教育委員会の定めた小学校のカリキュラムがあります。それらをもちろん指導しながら、日本語、日本文化教育をうまく取り入れて学校を運営しています。

日本文化学習「お月見」

最初に訪問したクラスはキンダークラス。日本で言う幼稚園の年長組です。そこでは毎朝日本語ネイティブの先生による絵本の読み聞かせが行われています。子供たちは教室の床に座り物語を聞いています。先生から日本語で質問されると、その返事が面白い!英語で答える子供、日本語で答える子供、実にさまざまでした。気になったのは絵本が小さいこと。「日本語絵本の大きな本はないのよね~。」と田中先生も一言ポロリ。

確かに日本には大きな絵本はありませんね。でもその代わり紙芝居があります。紙芝居は日本の文化でしょう。


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