高波さんと同じM社に勤める現在海外駐在中の中村貴裕氏(30)です。大学は理系に進み、就職しました。彼の場合は英語習得にかなり苦労しています。
■英語ができない・・そのコンプレックスは大きかった |
「うちの会社は英語ができないと飲んだときにひどい目にあうんですよ~。」と今では笑って話す中村さん。「一時は自分はこの会社にあってないんじゃないかって思ったくらいなんです。」子供時代に英語を習った事はないそうです。
彼は私と一緒に夕食の蟹をかぶりつきながら話してくれました。「ひどい目って?どんな風に?」と興味津々で尋ねると、「例えば、飲み会時に先輩から『英語ができないお前は今から英語でしか話してはいけない』とか、『何か英語で話せ、3分以上無口ではダメ』だとか・・。とにかく英語を必死で話さなければいけないんです。」「あはは!結構鍛えられていいですね。」と私。でも中村さんは額に汗をかきながら「僕は本当に英語では苦労しました。」そんな悔しさがバネとなって英語ができるようになった今では、その先輩に感謝できるようになったそうです。
■話せるようになって自分に自信がついた |
「人とコミュニケーションするのがよりいっそう楽しくなりましたね。自分の中にに別な存在価値を見出せるようになり、自信がつきました。 海外の方と接する機会が増え、自分の常識が相手には常識ではないと驚くこともあります。自分が生きてきた世界が全てではないのですね。また文化の違いを生で感じる事が楽しく、人とのコミュニケーション自体が楽しくなりました。英語のジョークはわからないことも多いですけどね(笑)。」
彼の英語学習はまず社内のグレードテストからスタート。TOEICも最低レベルでした。今から7年前のことです。その彼が現在海外駐在ができるほどになったとは、かなりの努力をしたのでしょう。現在のTOEICスコアは800点だそうです。すごいですね。
「目標をTOEICスコアを上げることに絞って、毎日同じ200題を一週間繰り返しました。同じ問題をやっていてもなかなか満点が取れない・・・でも一週間もすると満点が取れるようになるんです。ドキドキしながら答え合わせをするのですが、満点を取れた時は爽快な気分になります。そのうち本番のTOEICでもどんどん点数が上がっていきました。」
英語がキライだったという中村さん。でも、最近話せるようになってきたら「楽しくなってきました。」とおっしゃっています。それは異文化を持つ人々と英語でコミュニケーションをとる面白さを感じたからなんですね。
■子どもへの英語教育は「楽しさ」を重視したい |
ご自身の3歳のお子さんにはどのような英語教育を考えているのか尋ねてみました。
「勉強させて身に付けさせるのでなく、楽しみながら自発的に身に付けさせたいですね。文化の違う人と接する事の楽しさを、できるだけ早いうちに教えてあげたい。また、僕自身が発音に苦労しているので、小さいうちに発音を教えてあげたいと思っています。」
■ 海外で仕事をしていて英語以外で必要なこと |
「ずばり度胸です。文化が違うから、外人だから、たぶん通じないだろう、という遠慮をしていては、いつまでもビジネスはできません。思い切ってこちらが思っていること、やりたい事などを真剣に話してみると、英語が多少下手であっても、相手は聞いてくれます。」
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