今年の4月から公立小学校で行われる「英会話学習」は誰がどのように行うのか それぞれの小学校に任されています。私などは学校から頼まれた地域ボランティア講師の 一人として児童英語教育に関わらせてもらっています。
ある時、担任の先生がリードする 英語レッスンを見学させてもらったことがありました。見学後しばらく私は考え込んで しまいました。というのも45分間という貴重な時間が無駄になってしまったような気分 になったからです。いくつか気になった点を述べましょう。
◆担任の先生の多すぎる日本語
「さぁー今日は英語の勉強をしまぁす。英語のあいさつはどう言うんだったかな?」 「はぁーい、良く出来ましたー。」 「次に○○をしまぁす。よぉーく聞いててねー。」 「○○(外国人講師の名前)先生に発音してもらうから後について言ってくださぁい。」
⇒この場合、担任の先生は簡単な指示英語を覚えて使うべきです。しかし、英語ばかり では子供たちが理解しないと思われる場合はサンドイッチ用法にして英語を使うと よいでしょう。つまり、英語→日本語→英語 というように最後は英語の音を必ず聞かせる ようにするのです。例えば、Let's study English!→英語を勉強しよう!→Let's study English! という具合に。
◆少なすぎるレッスン内容
歌1曲。動詞カードを見せて発音、動作。1ゲーム(サイモンセッズ)
レッスン時間が余ってしまいゲームを何度もしました。ゲームでは子供たちに言わせようと しましたが子供たちは小さな声でつぶやいているだけであまりうまくいかないようでした。
⇒子供たちはレッスンした内容を忘れたり思い出したりしながら覚えていくもの ですから、スパイラルにレッスンを展開していく必要があります。この場合レッスン内容 が少なすぎるので時間が余ってしまい何度も同じゲームをすることになってしまいました。 歌いながら内容を楽しんで覚えるようにしたり、歌からゲームへと発展していくと、子供たち も自然に夢中になって大きな声を出せるようになります。十分なインプットがないうちに 無理矢理英語を話させようとすると英語嫌いになってしまうおそれがあります。
◆外国人講師との関わり方
「○○(外国人講師の名前)先生に発音してもらうから後について言ってくださぁい。」⇒せっかくの外国人講師をカセットテープレコーダーのようにしては 非常にもったいない!「○○先生はなんて言ってるのかな?」と子供たちに疑問を もたせ、話す言葉に注意を向けさせることが大切だと思います。
今後ずっと公立小学校で英語教育が続いていくためには担任の先生のリードは不可欠と なるでしょう。そして、しっかりしたカリキュラム(6年間または4年間)をたてなければ 英語はただのお遊びごとになってしまいます。カリキュラムも児童英語の専門家の意見を おおいに大いに取り入れ、45分間という時間を価値のある満足のいく時間にしていきたい ですね。