すぐに妊娠しないと「不妊症」?
なかなか妊娠しない理由は「不妊症」だから…とは言い切れない
避妊をやめても授からない場合、すぐに「私って不妊症?」と思い始める人はとても多いのですが、それは性急です。
では、どのくらい妊娠しなければ「不妊症」と言われるのでしょう? 一般的には、結婚して避妊をせずに2年経っても妊娠しない場合、不妊症と診断されます。しかし、現代のハードワークな日々やタバコなどの悪影響、親になることを先延ばしにしたい心理など、心身をとりまく条件に様々な背景があります。この「2年間」という数字は、厳密には正しい尺度ではないかもしれません。
今後はこの基準が1年となるそうですが、時間だけを基準にしても心配です。
結婚前であったり仕事がハードであるなど、避妊をする理由も多種多様。そして赤ちゃんが来ても大丈夫!と思い始めて、避妊期間を解く。さぁ、避妊する必要がもうなくなったから、いつでも赤ちゃんいらっしゃい! あれ!? 避妊を解いたのに妊娠しないなぁ……。
私たちは学校で「学生時代に妊娠してはならない!」と避妊教育を受けてきました。もちろん、心も体も一人前の大人として成長してから赤ちゃんを授かるもの。興味本位での性行為による妊娠は、本人も生まれ来る赤ちゃんにとって不安定なものです。
「妊娠しないために=避妊を行う」という図式が脳の配線に組み込まれているためか、「避妊をやめる=健康であれば妊娠する」という思い込みがあります。
自然受精率は40%以下、自然妊娠率は意外と低い
「避妊しない=排卵日にセックスをすれば妊娠する!」という思い込みで、必要以上に自分を「病気ではないか」と苦しめている方が増えているようにお見受けします。講演会先の質疑応答では、「不妊歴2カ月ですが」とおっしゃる方もいました。避妊を解いて2カ月間、排卵日前後にセックスをしたけれど授からなかったということでしょうが、そんなにロボットみたいにはいかないものです。
たとえ健康な精子と卵子が出合ったとしても、すべてが受精するわけではありません。生殖医学の文献などを見ると、自然受精率は40%以下とあります。2カ月前に避妊をやめただけで、「不妊症」と思い込むのは早合点。自然妊娠率は想像以上にとても低いものです。
いつか妊娠したいと思う人は
避妊をやめても、すぐに妊娠するとは限りません |
お仕事などの外的要因で先送りにされている人もいます。その場合、どのくらい待てば仕事が軽くなるのでしょうか? おそらくほとんどの人は、ビジネスでは次のステージ、次のステージへと成長が待っています。次々に追加、更新されていくものが仕事。ペースダウンはなかなか難しい決断となるでしょう。
業種や業態によっても様々でしょうが、気分だけで「仕事はやるだけやったから、そろそろ産み時」という機会は、一般のビジネスの場ではなかなか自然に訪れるものではありません。10年後の自分がどんなワーキングマザーになっていたいかを意識して、仕事のペースダウンを調整してみるとよいと思います。
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