出産時、自制がきかなくなった様子だったら……?
お父さんにもできることはたくさんあります |
出産中の問題解決は、「いつパートナーを出産施設に連れて行けばいいのか?」に始まり、産院で提案される医療介入についての判断材料、出産中のケアの仕方などについて、順を追ってつづられています。
たとえば、「パートナーは自制がきかないように見える」という項目では「目をかっと見開き、落ち着きがなく動揺しているような行動があり、大声を出したり罵倒したり、薬剤や助けを求めてくることもあります」といった状況に直面したとき、「考えられる理由」や「対処法」が分かれば、立ち会う父親もパニックにならずに、「できることをしてサポートしよう」という気持ちになれるはず。
上記の例でいけば、対処法としては「何が起きているかさだかではない場合、助産師や医師に状況を確認してもらい、説明とサポートを受けてください。」「このような感覚はお産が進行している素晴らしいしるしであることを、パートナーに思い出させてあげてください。」「このような状態が続くのは30分から1時間程度。パートナーの言動は気にせず、時間が過ぎるまで症状がやわらぐように努力してください」など、具体的にできること、心構えについていくつもの対処法が書かれています。
「自分(父親)がパニックになってしまったら」など、お父さんの不安に応えてくれる項目もあり、「何をしてよいか分からない」という不安な気持ちが払拭され、パートナーである産婦を充分にサポートすることができるでしょう。
父親になったはずなのに、里帰り出産から帰ってきた妻子を目の前にして「実感がわかない」などと頼りない発言をしてしまう男性もまだまだいます。アメリカなどでは事情がなければすべての父親が出産に立ち会いますので、親になった男性は、「人間が産まれてくる経過を知っている、成熟した男性」と見なされます。
出産に立ち会うということで、自分自身も一歩成熟した人間に近づき、感動の中で父親としてのスタートを切ることができるでしょう。産婦の中には「夫の涙をみて、こちらも号泣した」という方もいらっしゃいます。日本の男性もぜひ、出産のときに自分ができることを知り、実践していただけることを願っています。