何かを描かせることより、表現を楽しませること。
絵から文字への関心が芽生えます |
このぐちゃぐちゃに描く「なぐり描き」という行為を存分に味わうことがとても大事なのです。早くから、意味のある絵を描けるようになったり、字を覚えたりさせるために、ドリルをやるほうが良い、ということはないと私は思っています。「3歳までに小学校1年生で習う漢字まで書ける」ことを目指すあまり、この大切な時期に型にはめてしまうのはどうでしょうか。表現を楽しむことは、思いやエネルギーを発散していること。「上手に書いた」ことより「どれだけ楽しんだか」が大切です。
文字は絵本の読み聞かせから関心を持つ
子どもが文字に関心をもつためには「さあ、この字はこうだよ、書いて」と言って字を書かせる練習をするよりも、まずは絵本を一緒に読むことのほうが先です。お気に入りの絵本を繰り返し読むうちに、そこに書いてある文字のならびに意味があることに気が付き始め、自然に文字への関心が高まります。「この記号のようなものには規則があるぞ」ということに気づき始めて、子どものほうから「これはなんて読むの?」と質問してくればしめたもの。そして「どういう字を書くの?」と興味を持ち始めたところで、隣に座って一緒に書いて見せてあげます。この頃はまだ文字を「記号」や「形」として捉えていますから、子どもと向かいあって書いていると、字が左右逆の「鏡文字」で覚えてしまうので、気をつけて。そっくりそのままインプットされるんですね。文字だけを早く教えるよりも、子どもの関心が高まったところで教えてあげると、どんどん興味を示してきます。