働く意味を見出せない若者たち
働く意味を子供に伝えるのは大切な親の仕事 |
しかしながら、今はニートの人口が増えています。ニートとは「Not in Education, Employment or Training」の略で、日本語でいうと「教育を受けず、労働をおこなわず、労働をおこなうための訓練もしていない人」となります。このニートの中に、働く意味を見出せない若い人が多いことが、社会問題化しているのです。
「なぜ、何のために仕事をするか」という問いに対しての答えはさまざまにあると思いますし、それは個人の価値観に過ぎないかもしれません。しかし、この問いに自分なりの答えを持ち、ビジョンを持って働くということは、若い世代でも共働き世代にとても大切なことでしょう。そして、そのビジョンを子どもに伝えていくことも同時に必要なことだと思います。
幾度となく問われる「将来の夢」
この2007年夏(8月6日~8月11日)、埼玉県越谷市で「仕事の学校」という5泊6日の集中講座が行われます。「仕事の学校」の実行委員長である本城愼之介さんは、楽天株式会社取締役副社長を経て、2002年に新しい学校の設立を目指し株式会社音別を設立。2005年4月、横浜市北東部に位置する都筑区の港北ニュータウンに新設された横浜市立東山田中学校の校長公募に応募し、国内最年少の33才で就任されました。今回はその本城さんから声をかけていただき、私がゲストティーチャーとしてお話をさせていただくことになりました。子どもと仕事。小さいお子さんを育てている方にとってはまだまだ先のようですが、いずれは学びの時期を経て、それぞれの仕事をするようになります。でも考えてみたら幼稚園や小学校の時代から、子どもたちはいろんな人から幾度となく「将来の夢は何?」と、問われていることでしょう。小学生の男の子だったら「サッカー選手」でしょうか? 女の子は今の時代は「モデルさん」? 学年が上になれば「システムエンジニア」や「看護師」など、具体的な職業が挙がってくるかもしれませんね。それはそれで頼もしいことにも思えますが、「仕事=職業」と捉えている子ども、具体的な職業を目標にすることを期待する親。それだけでいいのでしょうか?
現代では銀行が小学校の総合的学習の時間などを利用して、世の中の仕組みを教える教育を行っているようです。私たちは資本主義社会の中で生きているわけですから、「仕事=経済活動」という式に間違いはないのでしょう。ただ、「この商品を売って利益を上げるためにはどうするか」「どんな部署が連携する必要があるか」など、経済の成り立ちとか経営の手法の基本を小学生から学ぶことに関しては、少し違和感を持ってしまいます。