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政府も提言?母乳育児のすすめ(2ページ目)

教育再生会議は子どもの保護者に対し「授乳中や食事中はテレビをつけない」などの提言をするようです。「母乳が出ない人がかわいそう」という意見もあるようですが、はたしてそうなのでしょうか?

大葉 ナナコ

執筆者:大葉 ナナコ

妊娠・出産ガイド

母乳育児のメリットとは

母乳で育てることによるメリットは数多くあります。まずは栄養面。最初に出る母乳「初乳」には、赤ちゃんの免疫力を高める成分が多く含まれています。その効果は、「初乳は最初の予防接種」といわれるほど。母乳を通して母体から免疫をたくさんもらった赤ちゃんは、生後6ヶ月くらいまで風邪を引きにくいといわれています。

また、母乳の栄養や量は、赤ちゃんがそのときに必要なバランスを持っています。赤ちゃんにぴったり合った、オーダーメイドの天然ベビーフーズなのです。味覚の点でも、母親が食べたものによって毎回味が変わるので飽きることなく楽しめますし、正常な味覚の発達を促します。さらに、「おっぱいを一生懸命吸う」ということが、顎の発達・咀嚼力を育ててくれます。

母乳の栄養もそうですが、「母乳行為」そのものが、赤ちゃんの成長にとってとても大事です。母親の腕に抱かれて、やわらかな乳房にほほを寄せ、お腹がいっぱいになるまで母乳を吸う。これによって母親の愛情を感じ、精神面で満たされていくのです。もし、母乳の出が悪くなって一時的に「お助けミルク」の力を借りるときでも、この母乳行為そのものはぜひ続けて欲しいのです。ミルクを飲みながらでも、しっかり抱っこして、母親のやわらかさを感じさせてあげることが大切です。

教育再生会議がなぜ母乳育児を推奨?

今回、政府の教育再生会議があらためて乳幼児期の母乳育児を奨励した背景には、現在の子どもたちを取り巻く児童虐待問題やいじめなどの教育問題があるのではないでしょうか。母乳を与えるという行為によって、母親による虐待行為が防止できる面もありますし、授乳期にしっかりとした愛情を受け止めることができた子どもは、その後の精神発達の面でもトラブルを回避できるようです。

政府の提言にユニセフ・WHOによる共同声明「母乳育児成功のための10カ条」によると、「赤ちゃんが欲しがるときに、欲しがるままの授乳を進めること」とあります。私の次男は2歳8ヶ月まで欲しがるときに母乳を与えてきました。働く母親の場合、「保育園に行きだして急に夜になると、母乳をねだって泣くようになった」ということもあります。そんなときは満足するまで与えてあげましょう。母乳行為は、赤ちゃんと母親とのコミュニケーション。母乳行為という密度の濃いコミュニケーションによって、子どもも安心を得て満足することで、情緒も安定します。その原点が、成長につれて起こってくるさまざまな問題を解決していく力になっていくのだと思います。



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