全国の調査で14人の例が浮かび上がる
渡部医師は、この問題に関心を寄せる他の医師と共に、新生児医療連絡会を通じて全国のNICUにアンケートを実施しました。するとカンガルーケアの最中に急変した赤ちゃんが14人報告され、全国12か所のNICUに収容されていました。このうち2例は亡くなり、植物状態になった赤ちゃんは7例ありました。医療訴訟など医療側が責任を問われた例も、和解も含めると4例ありました。カンガルーケアをやめる病産院が続出
そうこうするうちに、倉敷中央病院にはなんと3例目の赤ちゃんが運ばれてきました。「もう、これはどうにかしなければ」と渡部医師はアンケート結果を学会で発表。それがNHKのニュースで報じられ、この問題が広く知られるところとなりました。反響は小さくはありませんでした。「カンガルーケアは危険」という認識を持つ人がたくさん出て、中止する出産施設も出てきました。