出産予定日を超過しても陣痛がこない!

出産予定日を超過したのに陣痛がこなくてイライラ……

出産予定日を超過したのに陣痛がこなくて不安やイライラ……

子宮、胎盤、羊水など、胎児を育む環境は、妊娠38週頃に最も機能が高まり、その後は徐々に低下します。

出産予定日を超過しても陣痛がこない妊婦とご家族の皆さんは、胎盤の働きが悪くなる、羊水が減少する、赤ちゃんが大きくなって難産になる、などと心配になるかもしれません。

私たち大人も20歳から30歳前半が体力のピークで、その後、身体機能は低下しますが、すぐに病気になるわけではありません。40歳頃から生活習慣病など、健康度に個人差が出るように、胎児も出産予定日を過ぎる頃から健康度に個体差がでてきます。

妊娠高血圧、多胎、合併症妊娠などのハイリスク妊娠の方や、胎児異常や難産が疑われている場合は、妊娠37週までに入院や医学的な出産が検討され、自然の出産を待つことは少なくなります。

つまり、母体も胎児も健康でローリスク状態の方が、予定日を過ぎて、自然のお産を待つことができるのです。子宮内環境が良好で、胎児が「居心地が良いから、まだ出たくない」と感じている間は出てきません。ある程度、胎児の環境が悪化しないと陣痛は始まらないのです。

とはいえ、周囲の人からメールや電話で「まだ?」とか、無言のプレッシャーがあったりしてイライラしたり不安になるのは、皆、同じ気持ちです。出産予定日を過ぎた場合に、医学的な管理はどう考えられているのでしょうか。

 

出産予定日を超過した妊娠の医学的な取り扱い方針

  • 出産予定日(妊娠40週0日)が正しいことを確認する。月経周期や最終月経が不確実な場合には、妊娠初期の胎児計測値で予定日の修正が必要です。正しく設定されておれば、妊娠37週0日から妊娠41週6日の間に95%近くの方が出産します。
  • 妊娠40週0日を過ぎたら週2回(3~5日毎)の健診で、母体と胎児の健康度をチェックする。胎児心拍数モニタリング(ノンストレステスト)、超音波羊水量計測などを行います。
  • 妊娠41週0日までは、健診で異常がない限り特別な医学的処置はしない。
  • 妊娠41週0日以降は、個別に子宮口の熟化(柔らかさ、開口度、児頭下降度)などの医学的判断と、本人の意向をふまえて、分娩誘発するか、陣痛待機するかを検討する。
  • 妊娠42週0日以降は分娩誘発を考慮する。子宮口の熟化が不十分な場合は、帝王切開の可能性も想定する。
 

妊娠41週を過ぎて陣痛がこない際の妊娠管理の実情

妊娠41週を過ぎた場合の医学的管理方法は、さまざまな視点から検討されているものの、優劣付けがたいことから、実際には地域の実情、産科施設の実情、医師の診療哲学、本人の希望などにより、いろいろなケースがあります。両極端の場合とその中間を紹介します。

■ 分娩誘発はせずに妊娠41週中に帝王切開
妊娠41週を過ぎたら、分娩誘発は行わず帝王切開を予定します。分娩誘発のトラブルを回避するために徐々に増えつつあります。結果的に出産の30~50%が帝王切開になり、医学的には疑問な点もありますが、海外では、その程度の帝王切開率はあたりまえの国もあります。

■ 原則として自然待機
妊娠41週以降のみならず、妊娠42週以降も一日おき(隔日)に母体と胎児の健康度をチェックして、母体と胎児に異常がない限りは自然に陣痛を待つ。以前は、このような方針の施設も多く見られましたが、今では少なくなりました。

■ 子宮口が熟化している場合に分娩誘発
現在、妊娠41週以降には分娩誘発する施設が多いと思います。陣痛誘発剤には、オキシトシン(点滴)、プロスタグランディンF2α(点滴)、プロスタグランディンE2 (内服錠)があり、医学的判断で使い分けられます。これらの薬剤の使用に際しては、医師から、妊娠の状態、分娩誘発する上で注意している点などを説明の上、本人、家族が納得したことを記載した同意書が必要となります。

■ 子宮口が熟化していない場合
子宮口が熟化していない場合には、陣痛誘発剤だけではなかなか分娩になりません。方針も施設によってさまざまです。機械的な頚管熟化処置として、吸湿性頚管拡張材(ラミナリア、ダイラパン、ラミセル)、子宮頚管拡張バルーン(風船)などが使われますが、最善のものはなく、他に手段がないのでやむをえず使用しているのが実情だと思います。

現在、産科施設の減少により、住んでいる地域やアクセスできる施設の方針に従うしかなく、選択肢はあまりありません。

 

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