学校にやってきた現役の新生児科医、そして野球選手

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生徒たちに囲まれる豊島医師と村田選手。この授業は学生のためでもあり、未来の赤ちゃんのためでもあります。
神奈川大学附属中学(横浜市)の玄関に、横浜ベイスターズの村田修一選手が現れました。テレビで見慣れた有名選手のオーラに、生徒たちの顔がぱっと輝きます。

この学校では2008年から新生児医療についての授業が学生たちにおこなわれ、今回は2回目。第一回の講師は神奈川県立こども医療センターNICU(新生児集中治療室)の豊島勝昭医師と大学教員でもあるNICU長期入院児のお父さん。そして今年は、豊島医師たちのNICUに息子さんが入院していたことがある村田選手が特別ゲストとして加わりました。

足りない!小さく生まれた赤ちゃんの収容先

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ひとりの父親として中学生たちに語りかけた村田選手。
村田選手がNICUの経験を語りました。村田選手の息子さんは早産のために非常に危険な状態でしたが、その時神奈川県内のNICUはどこも空きのない状態。静岡ならあいていると言われましたが、それでは搬送中に死亡する危険が高いと思われました。そのとき、急に県立こども医療センターに空きができて、村田選手の息子さんは間一髪で県内に入院できました。

小さな身体で生死の境をさまよったわが子の頑張りに感銘を受け、それがホームラン王への礎になったという村田選手。学生たちには、貴重な証言を聞くと共に、親子のきずなについて考える機会ともなっていたようです。

産科医より深刻 赤ちゃんの命を守る新生児科医の不足

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授業が終わっても、もっと聞きたいことがある学生たち。

豊島先生は、貴重な休日を利用してこの「出張授業」をおこなってきました。コーディネートしているのは、早稲田大学大学院で医療や福祉について学ぶ母親である菊地真実さん。勉強のために出かけた生命倫理についてのシンポジウムで豊島医師がNICUの現状を訴えるのを聞いて、10代にもこの問題に触れて欲しいと思ったそうです。昨年(2008年)から、神奈川県内のいくつかの学校で同様の企画を実施してきました。

豊島先生は言います。「こんな医療問題が起きているんだということを、将来親になる人に知ってもらいたい。また、これを機会に新生児医療に関心をもち、将来何らかの形で携わりたいと思ってくれる人が増えてくれれば、という気持ちもあります」


>>豊島医師と菊地さんは、他の学校にも行っています。 そのひとつである浅野高等学校(横浜市)は、 医学部を受験する生徒が多い学校です。>>