子宮に戻す受精卵の数は、最近まで「3個」の移植が許容されていました

 
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 体外受精では、長いあいだ「受精卵を多数戻せばどれかが妊娠するかもしれない→妊娠率は上がる」と考えられてきました。
受精卵の取り違えがあった香川県立中央病院は、日本産科婦人科学会の倫理規定に反し複数の受精卵を戻していました。しかし、これはこの医師個人の問題とは言えないところがあります。

自然の排卵では、最初はたくさんの卵子が育ち始めるのですが自然淘汰がかかり最終的にはトップの卵子ひとつだけが排卵します。しかし体外受精では薬を使ってたくさんの合格者を出してしまうので、たくさんの受精卵ができることも大いにあり得ます。

この受精卵を、かつては子宮にたくさん戻していました。しかし、それでは、うまくいきすぎた場合4つ子、5つ子さえできてしまって危険なので、1996年、日本産科婦人科学会は規定を設けました。それでもその制限とは「3個まで」というもの。このルールは、2008年に「原則1個」と改められるまで、ずっと続きました。

たくさんの受精卵を戻せばどれかが妊娠する?


複数の受精卵を子宮に戻す目的は、たくさん戻せばどれかが妊娠するかもしれないので妊娠率が上がるだろう、と推測されたからです。これは医師だけではなく、女性の希望もありました。体外受精の妊娠率は25%くらいで、しかも高価ですから、当事者にとって成功率を上げることは大変重要です。

「双子くらいなら、一度に2人も生まれて、むしろうれしい」と思う人もいます。双子の赤ちゃんは流産、早産が多く、お母さんも血圧が上がりやすく帝王切開の可能性も高くなります。子育て中もうつ病が増えるほど大変なのですが、妊娠前で、しかも不妊に悩んでいる段階では、そこまで想像する余裕はなかなか持てないかもしれません。

ですから今回のことは、取り違えについては何としても防止しなければなりませんが、複数の受精卵を戻していたことについては、長い間広く行われてきたことであり、女性の願いも入っている、といった面も関わっていて一医師を責めるべきではないのかもしれません。

 >>しかし本当は、戻す受精卵の数は問題にすべきなのです。 なぜなら、体外受精の最終的な成功率は、 戻す受精卵が多くても、実は変わらないのです!>>