自治体の補助金があっても、なかなか必要な人に届かない
Aさんの住む自治体には妊婦健診の補助が全国の平均を上回って提供されていました。しかし、Aさんはフルに助成回数をこなす前にお産になってしまいそうで、もったいないことです。
健診の費用が助成されれば「時々抜かしてしまう」という人は減るかもしれません。でも、Aさんのような最初の一回を踏み出せない人を減らすには、補助金制度を確実に利用してもらう工夫が要るのでは?
国民健康保険の滞納と飛び込み分娩は関連が深いのでは?
全国で480万世帯という国民健康保険の滞納者には、出産年齢の妻、あるいは未婚の母になるかもしれない娘が扶養者として入っていることも多いでしょう。
妊婦健診それ自体は自由診療で保険は関係ないのですが、診察の結果、薬が出ることがあり、その部分は保険の出番です。産科の窓口でも、保険証の提示を求められるケースが多いと思います。妊婦健診自体が保険診療だと本人が思ってしまう勘違いもあり得ます。
未婚の母は、まだうしろめたい?
2008年2月6日付読売新聞によると飛び込み分娩の36%が未婚者だったということです。未婚の妊婦さんは、堂々と行動できる人もいますが、社会から偏見の目で見られるのでは、という不安から消極的になってしまう人もいます。
Aさんは、赤ちゃんが何とか無事に臨月を迎えられてよかったです。でも、危ない橋を渡った妊娠生活でした。
妊婦さんが来てくれるのを役場で待っているだけの補助金制度では、飛び込み分娩の十分な対策になるか大いに疑問です。
イラスト 平井さくら
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