まもなくお産を迎えるというAさん(21歳)は妊娠7ヶ月まで妊婦健診を受けていませんでした。取材の中で偶然出会ったAさんにお話を聞きました。

国民健康保険の滞納が続く家族

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「妊婦健診は、ずっと行きたいとは思っていたんです」
とAさんは言います。
「だけど、行けなかったんです」

行けなかった理由とは「国民健康保険の滞納」でした。妊婦健診は自費診療ですから基本的に保険は使えません。しかし、Aさんと夫(30歳)は、「妊婦健診に行くには、保険証が不可欠。そうしなければ大きなお金が要る」と思っていました。

Aさんは、妊娠当時、まだ夫と入籍していなくて、親の国民健康保険の扶養者になっていました。Aさんの親は保険料を滞納して、Aさんは「いつのまにか」医師にかかれない立場になっていました。もともと丈夫なものの、もうずいぶん長い間、医師にかかることはない生活を家族ぐるみで送ってきたAさんでした。

「お腹が小さいから誰かに相談したかった」


自治体の健診無料券があることも人から聞いていたAさんですが、どうしたらいいのかわからないまま日が過ぎました。奈良の未受診妊婦さんのニュースも聞いて「こわいな」と思いながら、「自分は救急車を呼ぶなんてあり得ない」と思っていました。

「夫と入籍すれば夫の保険の扶養者になれるので健診に行ける」とAさんは思っていて、そのときを待ち続けました。母子手帳も、ちゃんと入籍したらもらいに行こうと思っていました。母子手帳をもらいに行ったら、そのパックの中に無料券が入っていたのに。
「私はお腹がなかなか大きくならなかったんです。だからこんなお腹で大丈夫なのか、誰かに聞きたかったんですけれど、入籍して保険に入れるまでは我慢しなければと思っていて」

>>でも、Aさんが籍を入れるまでにはさまざまなハードルがありました。>>