全国の平均助成回数は2.8回分でしたが、国は「最低5回分」を推奨しています
かねてより厚労省は、妊婦健診の公費負担の充実を求める通達を都道府県の母子保健担当者に出し、市町村で「最低5回、望ましくは12回」分の補助を実施するよう求めていました。そして8月の時点での実施状況を調査したところ、全国の公費負担の平均回数は2.8回にとどまりました。
国が求めた5回を上回った都道府県としては秋田県(10.0回)が別格でしたが、あとは石川県(5.0回)山梨県(5.0回)とわずか3県でした。少なかった県は大阪府(1.2回)、兵庫県(1.4回)、奈良県(1.62回)でした。
妊婦健診への投資は、お金の有効活用では?
ただ、今後への意欲を見せる市町村は少なくありませんでした。今は実施できていなくても、6%が今年度中に、59%が来年度以降に公費負担回数を増やすと回答しました。
その一方で、「未定あるいは増やす予定なし」という回答も17.7%ありました。公費負担の拡充が難しいという自治体は財政難が理由だと思いますが、妊婦健診は、高額な高度医療が必要なケースを未然に予防する手段でもあります。
妊婦健診は有効な予防医療です。妊婦健診への投資は、財源の有効利用につながる面もあるのではないでしょうか?
イラスト 平井さくら
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